【添加物は危険?】種類や使用目的、健康への影響をわかりやすく解説

【添加物は危険?】種類や使用目的、健康への影響をわかりやすく解説
  • 添加物が自分や家族の健康に悪影響を与えているか知りたい
  • 日常的に摂取している食品に含まれる添加物の安全性を確認したい
  • 添加物との上手な付き合い方を知りたい

食品添加物は商品の品質を向上させるために便利ですが、健康に悪影響を与える可能性があります。多くの添加物は、日本の厳しい規制によって安全性を確保されています。しかし、過剰摂取により、アレルギー反応や発がん作用などの健康被害があることも事実です。

本記事では、食品添加物の種類や使用目的、健康への影響について解説します。日本の規制や安全評価方法についても紹介し、避けたい危険な添加物についてもまとめています。安全に食品添加物と付き合う方法がわかれば、健康的な食生活を送るのに役立つので、ぜひ参考にしてください。

添加物とは食品の加工や保存に使うもの

添加物は数多くの食品に含まれており、主に食品の加工や保存に使われます。添加物には豊富な種類があり、使用される理由もさまざまです。添加物の種類や、使用される理由について詳しく解説します。

添加物の定義と種類

添加物は、食品の品質を向上させたり、保存性を高めたりするために使用される物質です。添加物には自然由来のものも含まれる一方で、化学的に合成されたものもあります。主な種類は以下のとおりです。

種類
保存料ソルビ酸、安息香酸
着色料赤色106号、ベータカロテン
甘味料アスパルテーム、ステビア
酸化防止剤ビタミンE、BHA
乳化剤レシチン、グリセリン脂肪酸
増粘剤キサンタンガム、カラギーナン
添加物種類一覧

保存料は食品の腐敗を防ぎ、着色料は見た目を魅力的にします。香料は食品の風味を豊かにする働きがあります。甘味料はカロリーを抑えつつ甘さを加え、増粘剤は食品のテクスチャーを整えるなど、食品の品質を上げるのに効果的です。添加物のおかげで、私たちの日常の食生活はより豊かで便利になっています。

添加物が使用される理由

添加物が使用される主な理由は、以下の4つです。

  • 食品の保存期間を伸ばす
  • 食品の食感や風味を向上させる
  • 食品の栄養価を向上させる
  • 食品の製造過程を効率化する

添加物は食品の保存期間を伸ばすために使用されます。ジャムにソルビン酸カリウムを使用することで、カビの発生を防いで長期保存が可能です。食品の安全性を高め、流通・保管が容易になります。添加物は食品の食感や風味を向上させる目的で使用されます。

ドレッシングやソース、スープなどにキサンタンガムを混ぜることで、とろみを付けることが可能です。食品のおいしさや魅力が増し、消費者の満足度を高められます。添加物は栄養価を高めるためにも使用されます。牛乳にビタミンDを添加したり、ヨーグルトに食物繊維を加えたりすることで、特定の栄養素の補給が可能です。

食生活における栄養バランスの偏りを補う役割を果たしています。食品の製造過程を効率化するためにも添加物が使用されます。マヨネーズに乳化剤を使用することで、製造工程の簡略化が可能です。缶詰にpH調整剤を使うことで、食品の大量生産が可能になり、手頃な価格で販売できようになります。

上記のとおり、添加物は食生活を支える重要な役割を果たしています。しかし、添加物を使用するには適切な管理と規制を守る必要があるため、正しい知識を持つことが大切です。

添加物の危険性

添加物が健康に及ぼす潜在的なリスクは無視できません。長期間にわたる過剰摂取は、健康を損なう可能性があります。

  • 添加物の健康リスク
  • 添加物が危険といわれる科学的根拠

添加物の健康リスク

添加物の健康リスクには、以下のような症状を引き起こす可能性があるため要注意です。

  • アレルギー反応
  • 発がん作用
  • 子どもの発達障害や注意欠陥・多動性障害

一部の添加物は、アレルギー反応を引き起こすとされています。皮膚の発疹や呼吸困難など、場合によっては危険な症状が現れることもあります。ビタミンなど他の物質に作用して、がんや心臓病のリスクを高める可能性も示唆されているため注意が必要です。

子どもにおいては、できる限り添加物の摂取を控えるべきです。添加物が子どもの発達障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連があるといった研究結果もあります。子どもの健康を守るためにも、積極的に添加物の少ない食生活を心がけることが大切です。

慢性的な消化器系の問題を引き起こす添加物もあり、日常生活に支障をきたす事例も報告されています。添加物による健康被害を避けるために、添加物が含まれる食品の摂取を控え、できる限り自然な成分の食品を選びましょう。食品ラベルを確認し、添加物の種類や量を理解することも、健康を守る上で重要です。

添加物が危険といわれる科学的根拠

添加物が健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされる科学的な根拠は、多くの研究によって明らかになっています。過剰摂取によって健康への悪影響が指摘されている添加物は、以下の4つです。

  • 合成甘味料
  • 亜硝酸ナトリウム
  • 保存料
  • 合成着色料

合成甘味料の多く摂取すると、肥満や糖尿病のリスクを増加させることが示唆されています。体内の糖代謝に影響を与える可能性があるからです。亜硝酸ナトリウムは体内で発がん性物質であるニトロソアミンを生成するため、発がんリスクの増加が懸念されます。

特定の保存料によっては、アレルギー反応や喘息を誘発する可能性があります。合成着色料は、子どもの行動障害と関連があるという研究結果もあるため、添加物を多く含む食品は避けた方が無難です。

食品添加物の安全性と規制

食品添加物の安全性は、厚生労働省による厳格な規制と詳細な安全評価を通じて確保されています。動物実験や臨床試験などの厳しい安全性評価が義務付けられています。添加物はさまざまなリスクが示唆されていますが、厳しい条件をクリアした添加物であれば安全です。

日本の食品添加物に関する規制

日本における食品添加物の使用は、食品衛生法に基づいて厳しく規制されています。添加物を使用するには、厚生労働省の承認が必要です。規制される添加物は「既存添加物」と「指定添加物」の二つに分類されます。

既存添加物指定添加物
長年使用されてきた天然添加物新たに安全性と有効性を国に認められた添加物
天然由来のものが多い天然・合成を問わず、安全性評価を受けている
安全性評価は必ずしも十分に行われているわけではない安全性評価を経ており、安全性が高いと判断されている
既存添加物名簿に収載されており、その範囲内で使用が認められている食品衛生法に基づき、厳格な規制を受けている
食塩、砂糖、醤油、酢などソルビン酸、アスコルビン酸、クエン酸など
「既存添加物」と「指定添加物」一覧

添加物は最大使用量や、使用できる食品の種類が明確に規定されています。消費者に安全な食品が提供されることを保証するためです。輸入食品の場合、食品に含まれる添加物も日本の基準に適合している必要があります。

食品添加物の安全評価方法

食品添加物の安全評価方法は、人間の健康を守るために重要です。長期にわたる毒性試験や発がん性試験、遺伝子変異試験などの動物実験が一般的に行われます。添加物が人間の体に与える影響を詳細に調べるために不可欠な工程です。

評価プロセスでは、NOAEL(最大無効果量)が設定されます。NOAELは、長期間摂取しても健康に影響がないと認められる最大量を示しています。NOAELをもとに、人間が毎日摂取しても安全とされる量を示したのがADI(許容日摂取量)です。1日の摂取量がADI以下であれば、食品添加物を摂取しても健康に害はないとされています。

消費者が食品添加物を安全に摂取するために、国際食品安全機関の基準にもとづいて添加物の安全性を検証されています。

安全とされる添加物

広範囲にわたって利用されている、安全性のある添加物は下記の5つです。

  • 食塩
  • クエン酸
  • ビタミンC(アスコルビン酸)
  • 大豆レシチン
  • アルギン酸ナトリウム

日常的に摂取される食塩は、保存料としても役立ちます。クエン酸は自然に存在し、飲料や食品に酸味を加える際に有効です。ビタミンCは抗酸化剤として知られており、自然界にも存在します。

チョコレートやベーキング商品に使われる大豆レシチンは、安全な乳化剤として有名です。アルギン酸ナトリウムは海藻から得られ、増粘剤として利用されています。上記の添加物は安全性が確認されており、適切に使用されることで、食品の品質を保ちます。

避けたい危険な添加物

添加物は食品の品質を保つために使われることが多いです。しかし、健康を害する恐れのある危険な添加物も存在するため注意が必要です。以下5つの添加物には、発がん性やアレルギー反応が疑われています。

  • 亜硝酸ナトリウム(発色剤)
  • 合成甘味料(アスパルテーム・アセスルファムK)
  • 合成着色料(タール色素等)
  • 合成保存料(ソルビン酸・安息香酸ナトリウム)
  • その他の危険が指摘される添加物

上記の添加物は健康を害する可能性を秘めているため、過剰摂取は避けるべきです。

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亜硝酸ナトリウム(発色剤)

亜硝酸ナトリウムは食品の発色剤として広く利用されています。亜硝酸ナトリウムの主な役割は、加工肉製品などの色を鮮やかに保つことです。商品の見た目が良くなり、消費者の購買意欲を刺激できます。

亜硝酸ナトリウムは微生物の増殖を抑制し、食中毒を防止します。しかし、長期的な過剰摂取は健康を損なうリスクがあり注意が必要です。発がん性物質であるニトロソアミンの形成への関与が指摘されているからです。

欧米では亜硝酸ナトリウムの使用量に厳しい規制が設けられており、日本でも安全基準が設定されています。商品を選ぶ際には、適切な情報にもとづいた選択を心がけましょう。

合成甘味料(アスパルテーム・アセスルファムK)

合成甘味料として広く知られるアスパルテームとアセスルファムKは、多くの飲料や食品で利用されています。低カロリーなので、砂糖の代わりとしてダイエット中の方にも選ばれています。ただし、アスパルテームは体内でアミノ酸に分解されるため、フェニルケトン尿症の方は摂取を控えるべきです。

アセスルファムKは、比較的新しい人工甘味料であり、長期間の安全性データがまだ十分ではありません。合成甘味料の使用は、食生活でカロリーを抑える1つの手段ですが、適切な摂取量を守ることが重要です。

合成着色料(タール色素等)

合成着色料、特にタール色素は、食品に鮮やかな色を付けるために使用される化学物質です。主に石油から製造されます。日本では、厚生労働省によって安全性が確認された場合のみ、使用許可を受けています。

ただし、一部の合成着色料はアレルギー反応や発がん作用を引き起こす可能性があるため、過剰摂取は避けましょう。長期的な摂取により、皮膚のかゆみやじんま疹などのアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

子どもの行動に影響を与える恐れがあるとも懸念されています。一部の研究では、タール色素を摂取した子どもが、ADHDの症状を悪化したとの報告もありました。合成着色料は、食品の見た目を色鮮やかにし、より魅力的な商品にしてくれますが、過剰摂取は避けた方が良いです。

合成保存料(ソルビン酸・安息香酸ナトリウム)

合成保存料として知られるソルビン酸と安息香酸ナトリウムは、食品の品質を保持するために広く利用されています。食品が腐敗する原因になる微生物の増殖を抑制し、食品の賞味期限を延長させるのに効果的です。

ソルビン酸はチーズやワイン、焼き菓子などに使用されます。一方で、安息香酸ナトリウムはソフトドリンクやフルーツ製品、調味料に添加されることが一般的です。

ソルビン酸は、安全性の高い保存料の一つですが、腸内の善玉菌を減少させる可能性が指摘されています。一方、安息香酸ナトリウムは、ビタミンCに反応して発がん性物質であるベンゼンを生成する可能性が示唆されています。合成保存料は、過剰に摂取すると健康を損なう可能性がある化学物質です。

その他の危険が指摘される添加物

食品に含まれる添加物の中には、着色料や保存料以外にも以下のような危険が指摘される添加物があります。

添加物名用途
臭素酸カリウムパンの改良剤
モノグリセライド乳化剤
プロピレングリコール湿添剤
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸乳化剤
危険が指摘される添加物一覧

臭素酸カリウムはパンの改良剤として使用されますが、過剰摂取は避けるべきです。動物実験で発がん性が認められており、人に対しても発がん性のリスクがあるとされています。

モノグリセライドは、食品添加物として厚生労働省に認可されており、一般的に安全な乳化剤として広く使われている添加物です。しかし、大量に摂取した場合や特定の体質の人にとっては、アレルギー反応を起こす可能性があります。

プロピレングリコールは、無色透明でわずかに甘味を感じる粘性のある液体です。食品だけでなく化粧品にも使用される湿添剤で、過剰に摂取することでアレルギー反応を引き起こしがちです。

ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸は、広範囲にわたる乳化剤として使われます。乳化剤以外にも、ドレッシングの安定剤や、着色料を溶かす溶液として活用されます。経口摂取による急性毒性や慢性毒性は低いことが確認されていますが、過剰摂取は避けましょう。

上記の添加物を避けるためには、食品の成分表示の確認が大切です。可能な限り自然な成分から作られた製品を選び、知識を持って選択することが、健康を守る第一歩です。

» 無農薬だから安心ではない?無農薬野菜の危険性と選び方

食品添加物と上手に付き合うコツ

食品添加物と上手に付き合うためには、日常の食生活において以下の4つを意識しましょう。

  • 手作りの割合を増やす
  • 加工品を避ける
  • オーガニック食材へ切り替える
  • 食品ラベルを確認する

» 食生活を見直す!より健康的な生活を送るための具体的なステップ

手作りの割合を増やす

手作りの食事の割合を増やすことは、健康な食生活を送る上で大切です。市販の加工食品や外食には、添加物を使用しているケースが高いからです。自宅で食事を作ることで、添加物の摂取量を減らせます。

家族の健康を守るには、添加物の摂取量を把握することが大切です。手料理することで家庭内の食生活が豊かになります。メニューのレパートリーが増えると、食事がさらに楽しくなります。

» 健康維持のために重要な栄養バランスの基本と整え方

加工品を避ける

加工品を避けることは、健康的な食生活を送る上で重要です。加工品には多くの添加物が含まれており、身体への悪影響が懸念されるからです。

スーパーマーケットで手に取る多くのスナック食品や冷凍食品、加工肉製品には、添加物が用いられています。添加物の過剰摂取が健康問題を引き起こす原因になるため、加工品の使用は避けましょう。新鮮な果物や野菜、未加工の穀物などが良い選択肢です。余分な化学物質が加えられていないため、体に優しいです。

食品を選ぶ際には成分表示を確認し、使用されている添加物をチェックしましょう。何を体に入れているのかをより良く理解すれば、健康を守る手助けになります。

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オーガニック食材へ切り替える

オーガニック食材への切り替えは、健康と環境に配慮できる選択肢です。オーガニック食材は、農薬や化学肥料を使用せずに栽培されているため、体に入る化学物質の量を減らせます。オーガニック農法は土壤の健康を維持し、生物多様性を保護することにも寄与しています。

持続可能な農業への支援になり、環境に優しい消費行動が可能です。オーガニック製品を選ぶには、認証マークがついた製品が目印です。製品が厳しい基準に基づいて生産されていることを確認できます。

オーガニック食材は非オーガニック食材に比べて、価格が高めに設定されていることが欠点です。しかし、健康への投資と環境保全への寄与を考えれば、オーガニック食材を用いる価値はあると言えます。

» オーガニック食品がおすすめな理由

食品ラベルを確認する

食品選びにおいて、添加物の表示を確認することは重要です。健康を害する可能性がある添加物も存在するからです。健康を守るために、食品ラベルに記載されている添加物の種類や量をチェックしましょう。添加物の名前だけでなく、どのような目的で使われているかを理解することも大切です。

特定の添加物が健康に与える影響については、事前に情報を集めましょう。食品の購入時に食品ラベルを確認すれば、より安全で健康的な食生活を送れます。

» 遺伝子組み換え作物のメリット・デメリットをチェック!

まとめ

添加物には多くの種類があり、食品の品質を保持し安定させるために使用されています。しかし、添加物の使用には以下のような健康被害を伴うリスクがあるため注意しましょう。

  • アレルギー症状
  • 消化器症状
  • 神経症状
  • 発がん作用

日本では食品添加物に関して厳しい規制が設けられています。安全性が確認されている添加物のみ使用されています。安全な食生活を心がけるためには、手作りの割合を増やし、加工品の摂取を控えることが大切です。オーガニック食材を利用することも検討しましょう。

» オーガニックは意味がない?

購入する食品のラベルを確認し、含まれている添加物についてよく理解することが重要です。