野菜の食べ過ぎは危険?バランスの良い摂取方法とデメリットを解説

野菜の食べ過ぎは危険?バランスの良い摂取方法とデメリットを解説

野菜は健康的な食生活に欠かせませんが、適切な摂取量を知らない人が大半です。この記事では、野菜を食べ過ぎるデメリットや注意が必要な野菜を解説します。記事を読めば、野菜の適切な摂取量や種類がわかり、健康的な食生活を送るためのバランスの取り方が理解できます。

野菜を食べ過ぎると、腹痛や膨満感、栄養バランスの偏りなどの問題が起こる可能性があるため、注意が必要です。適切な量と種類の野菜を摂取し、健康的な食生活を手に入れましょう。

★この記事の執筆者★

ミドリ
✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中
菜々ちゃん
(野菜の妖精)
✅ ミドリの食の師匠(?)
✅ 野菜にまぎれて
 やってきた妖精

野菜を食べ過ぎるデメリット

野菜を食べ過ぎるデメリットは以下のとおりです。

健康的な食生活のためには、適量の野菜摂取が重要になります。
» 理想的な野菜の摂取量と効率的に摂取量を増やすコツを解説

腹痛や膨満感

腹痛や膨満感は、野菜を食べ過ぎることで起こる代表的な症状です。お腹が張ったり、腹痛に悩まされたりすることがあります。胃もたれやお腹にガスが溜まるような感覚を覚える場合も考えられます。野菜の消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなるためです。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜に含まれる特定の成分が原因で、腹痛や膨満感が起こる場合もあります。急に野菜の摂取量を増やすと、腸内環境が変化して不快感が出やすくなります。徐々に野菜の量を増やすと症状を軽減できる可能性があるため、おすすめです。

栄養バランスの偏り

野菜だけに偏った食生活を続けると、体に必要な栄養素が不足する可能性があります。偏りが生じる恐れがある栄養素は、タンパク質や脂質、炭水化物やビタミンB12、鉄分などです。カロリー摂取量にも注意してください。栄養バランスの偏りは、体力低下や疲労感を引き起こす原因となります。

過剰な食物繊維の摂取により、ミネラルの吸収が阻害される可能性もあります。長期的に栄養バランスの偏った食生活を続けると、健康上のリスクが高まるため注意しましょう。

ミドリ
ミドリ

野菜を中心とした食生活を送る場合でも、他の食品群からもバランス良く栄養を摂取するのがおすすめです。

下痢や便秘

野菜を食べ過ぎると、食物繊維の摂取量が急激に増えるため、下痢や便秘の原因になる場合があります。下痢の場合、水溶性食物繊維の過剰摂取が主な原因です。

水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収するので、多過ぎると便が緩くなってしまいます。一方、便秘は不溶性食物繊維の過剰摂取で起こる症状です。

区分水溶性食物繊維不溶性食物繊維
性質水に溶ける水に溶けない
主な働き血糖値の急上昇を抑制
善玉菌を増やす
コレステロール値を低下
便通を促進
有害物質を排出
注意点食べすぎると下痢になりやすい食べるすぎるとかえって便秘になる
主な野菜ニンジン、ゴボウ、オクラ、大豆、わかめ、昆布、リンゴ、みかん、バナナなどキャベツ、ブロッコリー、トウモロコシ、インゲン豆、玄米、シイタケ、エリンギなど

食物繊維の量が急に増えると、腸が慣れるまで一時的に便秘になる場合があります。水分摂取が足りないと、症状はさらに悪化する傾向です。生野菜の食べ過ぎは消化不良を引き起こし、下痢の原因になる場合があります。野菜ジュースの飲み過ぎも同様です。

下痢や便秘の問題を避けるには、野菜の摂取量を徐々に増やし、十分な水分を摂りましょう。生野菜と加熱した野菜をバランス良く食べ、野菜ジュースの飲み過ぎにも気をつけてください。

腸内環境の変化は便の性状や排便リズムに影響を与えます。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜を食べ過ぎたと感じたら、一時的に摂取量を減らし、体調の変化に注意してください。

体重の増加

野菜には食物繊維が豊富に含まれているため、健康的な印象がありますが、過剰摂取すると余分なカロリーを取り込んでしまいます。特に注意が必要なのは、根菜類やでんぷん質の多い野菜です。

ミドリ
ミドリ

高カロリーなので、食べ過ぎると体重が増えやすくなります。じゃがいもやさつまいも、かぼちゃなどの野菜は要注意です。

野菜と一緒に使うドレッシングやマヨネーズなどの調味料にも気をつけましょう。高カロリーなので、知らず知らずのうちに摂取カロリーが増えてしまいます。野菜ジュースやスムージーも要注意です。濃縮されているので、普通の野菜を食べるよりもカロリーが高くなりがちです。

体重増加を避けるには、バランスの取れた食事を心がけましょう。野菜だけでなく、他の食品群もバランス良く摂取してください。
» 野菜ジュースに含まれる栄養素と選び方を解説

食べ過ぎに注意が必要な野菜

食べ過ぎに注意が必要な野菜は以下のとおりです。

フルクタンを含む野菜

フルクタンは水溶性食物繊維の一種で、腸内細菌によって発酵されるため、ガスが発生しやすくなります。食べ過ぎると腹痛や膨満感を引き起こす可能性があります。代表的なフルクタン含有野菜は以下のとおりです。

  • タマネギ
  • ニンニク
  • アスパラガス
  • チコリ
  • ゴボウ
  • キクイモ

フルクタンを含む野菜を食べる際は、一度に大量に摂取せず、適量を心がけることが大切です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

特に消化器系の敏感な人や過敏性腸症候群の方は、フルクタン含有野菜の摂取量に注意しましょう。

オキサラートを含む野菜

オキサラートを含む野菜は、体内でカルシウムと結合し、腎臓結石の原因になる可能性があります。代表的なオキサラート含有野菜は以下のとおりです。

  • ホウレンソウ
  • ルバーブ
  • ビーツ
  • パセリ
  • セロリ
  • ニラ
  • タンポポの葉
  • スイスチャード
  • オクラ
  • サツマイモの葉

オキサラートを含む野菜は栄養価が高いため、食べないようにする必要はありません。しかし、毎日大量に摂取するのは避けましょう。特に腎臓結石のリスクが高い人は、摂取量に気をつける必要があります。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

カルシウムを多く含む食品と一緒に摂取すると、オキサラートの吸収を抑えられます。

ゴイトロゲンを含む野菜

ゴイトロゲンを含む野菜を食べ過ぎると、甲状腺ホルモンの生成を妨げる可能性があるため注意が必要です。代表的なゴイトロゲンを含む野菜は以下のとおりです。

  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • ケール
  • 大根
  • 白菜
  • クレソン
  • ルッコラ
  • 菜の花

ゴイトロゲンを含む野菜を完全に避ける必要はなく、適度な量を摂取すれば、栄養価の高い食材として健康に役立ちます。調理方法を工夫すると、ゴイトロゲンの影響を軽減できます。加熱調理で、ゴイトロゲンの一部を分解することが可能です。

ミドリ
ミドリ

甲状腺の問題がある人は、医師や栄養士に相談して、適切な摂取量を決めるのがおすすめです。

糖質が多い野菜

糖質が多い野菜は、食べ過ぎると体重増加や血糖値の上昇につながる可能性があります。代表的な糖質の多い野菜は以下のとおりです。

  • じゃがいも
  • さつまいも
  • かぼちゃ
  • とうもろこし
  • にんじん

糖質制限中の人や糖尿病の人は、糖質の多い野菜の量を控えめにしたり、タンパク質や食物繊維と組み合わせたりしましょう。血糖値の急激な上昇を抑えられます。調理方法を工夫すると、糖質の吸収を緩やかにすることが可能です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜を細かく刻んだり、よく噛んで食べたりすると、消化吸収のスピードを遅くできます。

野菜の食べ過ぎを防ぐ方法

野菜の食べ過ぎを防ぐ方法は以下のとおりです。

1日に必要な野菜摂取量を知る

日本人の1日の野菜の摂取推奨量は350gで、厚生労働省が定める「健康日本21(第二次)」の目標値です。目安として、小鉢5皿分や両手1杯分、1食あたり約120g(1日3食で均等に分けた場合)などがあります。理想的な摂取量は、緑黄色野菜を120g以上、その他の野菜を230g以上です。

ただし、年齢や性別、活動量によって必要量は異なるので注意が必要です。野菜の摂取方法についても気をつけるポイントがあります。野菜ジュースは生野菜の代替にはなりません。

調理方法によって栄養価や摂取量が変わる可能性もあるため、多様な種類の野菜を摂取することが重要になります。

ミドリ
ミドリ

季節や地域によって入手しやすい野菜が異なるので、手に入る野菜を上手に取り入れていくのがおすすめです。
» 野菜の種類別の保存方法や長持ちさせるコツを徹底解説!

自分の野菜摂取量を把握する

自分の野菜摂取量を把握することで、適切な摂取量を維持できます。毎日の食事内容を記録する食事日記をつける方法やスマートフォンアプリで食べた野菜の種類や量を記録する方法があります。料理の写真を撮ることも、視覚的に摂取量を把握するのに効果的です。

1週間の食事内容を振り返ると、野菜摂取の傾向や過不足を把握し、食生活の改善につなげられます。より正確に摂取量を把握したい場合には、実際に食べる野菜の重量を計測するのも一つの方法です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

片手1杯分の野菜が約70gという目安を覚えておくと、大まかな摂取量を把握できます。

外食時はメニューの詳細を確認すると、おおよその野菜摂取量がわかります。野菜ジュースなども含めて計算すると、より正確な摂取量の把握が可能です。定期的に栄養士に相談すると、自分の野菜摂取量を適切に管理できます。

バランスの良い食事を心がける

バランスの良い食事を心がけることは、野菜の食べ過ぎを防ぐだけでなく、健康的な食生活を送るうえで大切です。主食や主菜、副菜をバランス良く組み合わせると、必要な栄養素をまんべんなく摂取できます。

ミドリ
ミドリ

タンパク質源として肉や魚、卵や大豆製品を適量摂取することが重要です。

オリーブオイルやナッツ類などの脂質を含む食品を適度に取り入れ、乳製品を毎日摂取しましょう。果物は1日1~2品を適量食べるのがおすすめです。

多様な色の食材を取り入れると、さまざまな栄養素を補えます。調理法を工夫してさまざまな食感を楽しむのも、バランスの良い食事を続ける秘訣です。

適切な食事量を守り、規則正しい食事時間を心がけましょう。

野菜を食べ過ぎたときの対処法

野菜を食べ過ぎた場合の対処法は以下のとおりです。

対処法を実行しても体調が回復しない場合は、医療機関に相談するのがおすすめです。

十分に水分補給をする

十分な水分補給で、野菜に含まれる食物繊維を排出しやすくし、腸内環境を整えて消化を促進します。むくみや便秘の解消にも効果的です。

カフェインや糖分の多い飲み物は避け、水や白湯、お茶などで1日に1.5〜2リットルの水分摂取を目安にしましょう。少しずつこまめに飲むのが効果的です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

適切な水分補給は、体調管理の基本となる重要な習慣です。日常生活に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。

適度に運動をする

適度な運動は腸の動きを促進し、消化を助けるので、お腹の張りや膨満感を軽減できます。以下の運動を15〜30分程度行いましょう。

  • ウォーキング
  • 軽いジョギング
  • ストレッチ
  • 軽いヨガ

激しい運動はかえって体に負担をかける場合があるため、避けてください。体調に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。 食後すぐの運動は避け、1〜2時間程度空けてから始めましょう。

ミドリ
ミドリ

運動中は水分補給を忘れずに行ってください。適度な運動と水分補給を心がけると、消化を促進し体調を整えられます。

消化を助ける食品を摂取する

消化を助ける食品を摂取すると、野菜の食べ過ぎによる不快感を和らげられます。ヨーグルトや発酵食品、生姜やハーブティー、パイナップルやパパイヤなどの酵素を含む果物がおすすめです。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

オリーブオイルや亜麻仁油などの良質な油、プロバイオティクスのサプリメントも効果的です。

消化を助ける成分が含まれているため、胃腸の負担を軽減する効果があります。ヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整えるのに効果的です。温かいスープは消化器官を温め、消化を促進します。

食事の際によく噛んで食べることは、消化を助け、胃腸の負担を和らげるために大切です。

次の食事を軽くする

次の食事を軽くすると、消化器系への負担を軽減し、体調を整えやすくなります。消化の良い食品を選ぶことが重要です。茹でた野菜や果物、白身魚などがおすすめです。

野菜を控えめにして、他の食品をバランス良く摂取するように心がけましょう。タンパク質や炭水化物を適度に取り入れると、体調の回復を促進できます。

ミドリ
ミドリ

食事の間隔を空けると、消化器系に休息を与えることが可能です。野菜を食べ過ぎた後は、次の食事までに4〜5時間程度の間隔を空けましょう。

まとめ

野菜の摂取は健康に良いとされていますが、食べ過ぎには注意が必要です。1日の野菜の目標摂取量を知り、自分の摂取量を把握しましょう。バランスの良い食事を心がけることで、野菜の食べ過ぎを防げます。

食べ過ぎてしまった場合は、水分補給や運動、消化を助ける食品の摂取で対処可能です。次の食事を軽くするなど、体調管理に気をつけることも大切になります。

ミドリ
ミドリ

野菜の種類によって注意すべき点が異なることを理解し、健康的な食生活のために適度な野菜摂取を心がけましょう。
» 野菜不足がもたらす健康リスクと解消法について解説!