食費の平均は年代別でどう変わる?世帯ごとの食費比較と節約のポイント

食費の平均は年代別でどう変わる?世帯ごとの食費比較と節約のポイント

家庭ごとの食費がどのくらい違うのか、気になる人は多いです。当記事では世帯や年代、地域によって異なる食費の平均を詳しく説明します。記事を読むことで、自分の状況に合った食費の管理方法が見つかります。食費を節約する方法も紹介しているため、家計管理の参考にしてください。

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ミドリ
食品・農業系ライター。自然食品店勤め10年を経験したオーガニックコンシェルジュ。環境に配慮した有機、自然栽培などを応援しています。現在、無農薬の農園で畑づくりを勉強中。

世帯別の食費の平均

世帯別の食費の平均は、1人暮らしから大家族まで大きく異なります。家族の人数が増えるほど、食事を取る人数が増え、食材の消費量も多くなるためです。

まずは世帯人数別に食品の平均を見ていきましょう。(数字は総務省が公表した「家計調査 家計収支編(2022年)(2023年)」を参照しています。)(自宅で調理する食材費のほかに菓子や飲料、酒類、外食費なども含まれます。)

1人暮らしの食費平均

1人暮らしの平均的な食費は3〜4万円程度です。都市部は地方に比べて、食費が10〜20%高い傾向にあります。1日に3回の食事を取ることが一般的で、外食の頻度は週に1〜2回程度が一般的です。

食材はスーパーマーケットで購入することが多い傾向です。コンビニエンスストアはスーパーマーケットに比べて、利用の頻度は少ない傾向にあります。食費を節約するために、簡単なレシピによる自炊や、冷凍食品を利用している人が多いようです。

2人暮らしの食費平均

2人暮らしの月の食費は、6〜8万円が平均です。地域によって金額にばらつきがあり、都市部ではやや高めで地方ではやや低めになります。食生活のスタイルも食費に大きく影響します。頻繁に外食する家庭は食費が増えがちですが、自炊を心がけることで食費を抑えることが可能です。

食費を効率的に管理するためには、週に1度のまとめ買いや、季節に応じた食材選びがおすすめです。無駄な出費を減らし、計画的に食生活を送りましょう。

4人家族、子育て家庭の食費平均

4人家族の月の食費は、平均9万円近くになります。ただし子育て家庭の食費は、家族構成や子どもの年齢によって大きく異なります。子育て家庭(4人)の場合は、幼児~小学生のいる場合は約5.6万円、中学生がいる場合は約7.4万円、高校生がいる場合は約9.3万円になります。

ミドリ
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小学生の子どもがいる家庭では、子どもの成長とともに食事量が増えるため、自然と食費が上がります。子どもが高校生や大学生になると外食の機会が増えて、食費はさらに上昇する可能性があるため、適切な家計管理が重要です。

年代別の食費の平均

年代別の食費の平均を紹介します。

  • 若年層(20~30代):平均3~4万円
  • 中高年層(40~60代):平均5~6万円
  • 高齢者層(70代以上):平均3~3.5万円

若年層(20〜30代)

20〜30代の若年層は、食費に関する意識と行動がさまざまです。若年層は収入が比較的低い傾向にあるため、食費の管理が重要です。若年層の多くは独身で、1人暮らしが多い傾向にあります。食事の準備は1人分を自炊するか、外食や出前の利用が一般的です。

SNSの影響を受けやすい世代のため、流行の食材やレシピを試す人も多いです。 ただし、食費に対する意識は人それぞれで、節約の考え方も大きく異なります。節約を心がける人は頻繁に自炊し、食材選びや調理法に工夫を凝らしている場合が多いです。

» 食生活を見直す!より健康的な生活を送るための具体的なステップ

一方で時間や手間を節約し、生活の質を重視する人は、外食や出前の便利な選択を好む傾向にあります。若年層の食費は、ライフスタイルや価値観に密接に関連しています。食費管理は生活全般に影響を与えるため、自分に合った管理方法を見つけることが大切です。

中高年層(40〜60代)

中高年層の食費に関する特徴として、食材へのこだわりと健康意識の高さが挙げられます。中高年層は、食材選びにおいてオーガニック製品や無添加製品など、体に優しい食材を選ぶ傾向にあります。生活習慣病などのリスクを避けるために、健康的な食事を意識している世代だからです。

週末の外食や家族の集まりなど、特別な機会には質の高い食事を楽しみます。結婚などにより家庭内の調理が増えるため、食費は上がりがちです。

高齢者層(70代以上)

70代以上の高齢者層は、食材の消費量は若年層に比べて減少しますが、特定の食材への支出が増えます。栄養バランスを考慮する人が増えるからです。

1人暮らしの高齢者が自炊する場合、健康的な食材に投資する傾向があり、食費を高める要因になります。対照的に外食を主にする場合は、食事のバランスや料理の選択肢の制限から、高額にならない場合があります。ただし、健康を維持するためには、栄養面の配慮が必要です。
» 健康維持のために重要な栄養バランスの基本と整え方

ミドリ
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夫婦2人暮らしの場合、食費の管理と計画は重要です。夫婦で食生活を共にすることで、さまざまな食材を使用したり、大量購入でコストを抑えられます。ただし、それぞれの健康状態や好みに合わせた食事の準備が必要です。

高齢者の食費は単なる金額の問題ではなく、健康や生活スタイルに大きく関わっています。適切な食費の管理や食事内容を工夫して、健康を維持しながらも経済的なバランスを取ることが重要です。

地域による食費の違い

地域によって食費に大きな違いがあります。都市部と地方では食材の価格や利用する食材の種類が異なり、食費に大きな影響を及ぼしています。

都市部と地方の食費の違い

都市部では食材の多様性とスーパーなどへのアクセスの良さが特徴的ですが、価格が高くなりがちです。一方で地方では、地元産の新鮮な農産物が安価で手に入り、食費を抑えやすいです。

都市部では新鮮な海産物や輸入品が豊富に出回っており、多くの食材から選べます。ただし、都市部の食材は高価な傾向があります。スーパーマーケットやデパートでは、高級オーガニック製品などの陳列が多いです。都市部では外食が日常的であり、家計の大きな負担になることも少なくありません。

一方で地方では、地元のスーパーマーケットや市場での購入が一般的です。地方で販売される食材は地元で採れた新鮮な物が多く、比較的に安価です。地方では外食する頻度が低く、家庭で自炊する傾向にあります。

地域別の食費の平均額の違い

地域によって食費の平均額には大きな違いがあります。地域の経済状況や食文化、食材の種類や価格が異なるためです。東京都では全国平均よりも10%食費が上がると言われています。東京が経済活動の中心地であることが、物価の高さや外食費の上昇に影響を与えています。

地域別の食費の平均額の違いを理解することは、家計管理において重要です。地域特性を踏まえた食費の見直しや予算設定が、効率的な経済生活を送るための鍵になります。地域別の食費の平均額の特徴は以下のとおりです。

  • 北海道や沖縄県:新鮮な魚介類が豊富だが、輸送コストの影響で一部の食材は高い
  • 京都府や奈良県などの観光地:地元食材を使った調理が多く、地域によって食費が異なる
  • 地方都市や田舎:地元の食材を利用しており、都市部に比べて食費は低め
  • 関東地方と関西地方:食文化の違いが反映されており、関西の外食は比較的安い

理想的な食費の計算方法

理想的な食費の計算方法を把握して、無駄遣いを防ぎつつ効果的に節約しましょう。

エンゲル係数を用いた計算方法

エンゲル係数は、家計の総支出における食費の割合を示す指標です。エンゲル係数が低いほど食費に対する負担が少なく、生活に余裕が出ます。反対にエンゲル係数が高い場合は、家計において食費が大きな割合を占めるため、経済的な厳しさにつながります。エンゲル係数を用いた計算方法は以下のとおりです。

エンゲル係数(%)=食費 ÷ 消費支出 × 100

つまり「月に支出のうちの何パーセントが食費(外食費含む)にあたるか」ということです。

(例)1人暮らしの社会人1年生
食費…3万5000円
・家賃…7万円
・水道光熱費…2万円
・通信費…1万円
・日用品費…5000円
・被服費…1万円
・趣味・レジャー費…5,000円
・雑費…1万円

支出合計:16万5000円
食費3万5000円÷16万5000円✕100=21.2%

収入が少ないと食費以外のものにお金を回すことが難しくなります。その分食費の割合が増加することに。理想は「15~20%」です。エンゲル係数を理解し、適正な家計管理を心がけましょう。

ミドリ
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総務省「家計調査」によると、2022年9月~23年8月までの12か月間累計のエンゲル係数が29.0%なったそうです。これはなんと過去43年間で最も高い水準!昨今の物価上昇が家計を圧迫しています。

食費以外の支出をもとにした計算方法

食費以外の支出をもとにして計算する場合は、まずは月収から住宅費や光熱費、交通費などの固定費を差し引きます。次に、娯楽費や教育費などの変動費を計算に入れれば、実際に食費に充てる金額を明確にすることが可能です。食費以外の支出を計算すると、全体の予算が管理しやすくなります。

「食費以外の支出を先に確保する方法」を図解で説明。

食費に割り当てる金額の上限と下限を設定すれば、予算の範囲内で毎月の食費を計画を立てることが可能です。無駄遣いを防ぎつつ、必要な支出に対して十分な予算を確保できます。

節約が必要な場合は、設定した食費の割合を見直しましょう。生活状況の変化に応じて、柔軟に予算を調整すれば、賢く家計管理できます。

食費を左右する要因

食費を左右する要因を解説します。

食生活の影響

食生活は食費に大きな影響を与える要素の1つです。健康を意識した食生活や特定のダイエットをする場合は、食費が高くなることがあります。高タンパク質や低炭水化物の食材は、一般的な食材よりも価格が高い傾向にあります。

地元で採れる旬の食材を積極的に使うことで、食費を削減可能です。外食は自炊に比べて価格が高くなるため、頻繁に外食をする家庭は食費が増える傾向にあります。ベジタリアンやビーガンなどの特定の食生活の場合、食材の入手難易度によって食費が変動します。家庭ごとの食生活に応じた適切な食費の管理が重要です。

収入レベルの影響

収入レベルは食費に大きな影響を与える要素の1つです。高収入の世帯が食べる食材の質は高く、種類もさまざまなため、食費が高くなる傾向にあります。一方で低収入の世帯は、予算の下限が低いため、一般的な食材や割安な商品を選ぶことが多いです。

ミドリ
ミドリ

エンゲル係数が高いから収入が低い、エンゲル係数が低いから収入が高い、とは必ずしも言い切れない側面があります。

オーガニック食品や輸入食品など、価格が高い食材の購入頻度も収入レベルによって異なります。高収入世帯では、外食や高価な食材に対する支出の自由度が高く、食費が高くなる傾向があります。低収入の世帯では、食費を節約するために割引商品を利用しがちです。

季節やイベントによる影響

季節やイベントは食費に大きな影響を与えます。冬は暖房費の上昇が影響し、食費を削減しようとする家庭が増えます。節約の動きが強まる季節です。一方で、夏は農産物の価格が安定し、食材が手に入りやすいため節約しやすい時期です。安価な食材の利用で、より効果的に食費を管理できます。

年末年始などのイベント期間は、特別な食材を購入する機会が多く、自然と食費が上がります。ハロウィンなどのイベント時には、関連商品が盛んに販売されます。イベントの時期は食費の上昇につながりやすいため、計画性が重要です。

食費の節約に効果的な方法

食費の節約は、家計管理において重要です。効果的な節約方法を紹介します。

食費の予算を決める

食費の予算を決めることは、家計管理において重要です。食費は日々の生活に直接関わる出費です。適切な管理をすれば、無駄遣いを防いで節約につながります。食費の予算を設定する際は、自分の収入や家計全体の収入を把握し、月の食費予算を決めることが大切です。予算を週単位で立てると、お金を管理しやすくなります。

高価な食材の購入は避けて、季節の食材や割引されている食材を選べば、節約できます。事前に購入する食材のリストを作成すれば、計画的に買い物できて、予算の超過を防ぐことも可能です。食費の予算を適切に管理して無駄な出費を減らし、経済的な余裕を生み出しましょう。

家計簿アプリを活用する

家計簿アプリを使えば、日々の食費を効率的に管理して節約できます。家計簿アプリは支出を簡単に記録できて、自動でカテゴリー別に分類してくれます。食費や交通費、娯楽費などの支出も一目で確認可能です。グラフやリスト形式の表示も便利です。

予算設定機能を利用すれば、月初めに食費の予算を設定し、支出をコントロールできます。家計簿アプリには、節約の目標を設定すれば、達成度を追跡しつつ報告してくれる機能もあります。無駄遣いを防ぎながら、賢くお金を管理することが可能です。

家計簿アプリを利用すれば、日常生活のお金の流れを把握できます。毎月の食費の傾向を把握して、翌月の予算計画に役立てましょう。

まとめ買いをする

まとめ買いは、食費の節約に効果的な方法です。大容量パックを選ぶことで、食費を抑えられます。業務用スーパーでは、一般のスーパーより低価格で商品を手に入れることが可能です。長期保存が可能な食材を大量に購入し保存することで、必要なときにすぐに使えます。買い物に行く頻度を減らし、無駄遣いも防げます。

割引やキャンペーンなどを活用して、一度に多くの食材を購入すれば、食費の節約が可能です。まとめ買いを取り入れることで、家計に優しい食生活を送れます。

作り置きをする

作り置きは、食費の節約と効率的な食事の準備の両方に役立ちます。忙しい人にとって、食事の準備にかける時間は貴重です。作り置きすれば、食事の準備にかける時間を大幅に短縮できます。食材を大量に購入して一度に作ることで、食材の無駄を減らすことも可能です。

ミドリ
ミドリ

カレーやシチュー、ミートボールや煮物などの保存しやすいメニューをまとめて作り、小分けにして冷凍または冷蔵保存しましょう。食事のたびに最初から調理をする手間を省けます。忙しいときでも温めるだけで食事の準備が可能です。栄養バランスを考えてメニューを考えることで、健康的な毎日が送れます。

作り置きは時間の節約だけでなく、経済的な節約や健康維持にもつながるため、忙しい人におすすめです。

外食費をコントロールする

外食費のコントロールは、家計を管理する上で重要です。適切に外食費を管理すれば、無駄遣いを防いで計画的に節約できます。週に1〜2回など、外食の頻度をあらかじめ設定しましょう。ランチタイムや平日限定のお得なメニューを利用すれば、食費を抑えつつ外食を楽しめます。

割引クーポンや特別なキャンペーンを活用すれば、さらにお得に外食できます。上記の方法を取り入れることで、賢く外食費を節約し、家計に余裕を持たせることが可能です。

まとめ

食費は日々の暮らしの中で不可欠な出費です。食費は日常生活に密接に関連します。適切に管理して、健全な家計の状態を保ちましょう。エンゲル係数を用いた計算や家計簿アプリの利用が、食費の把握と理想的な節約を実現するために役立ちます。

自分の家庭に適した食費の管理方法を見つけ出し、賢く節約に取り組んでください。食費の予算決めや作り置き、まとめ買いや外食費のコントロールも重要です。自分の家庭に合う方法を取り入れて、無理のない範囲で家計管理をしましょう。