食糧危機を生き抜く!個人でできる5つの対策

食糧危機を生き抜く!個人でできる5つの対策
  • 食糧危機で食べ物がなくなったらどうしよう
  • 個人でできる食糧危機の対策は何がある?
  • 家庭菜園を始めたら食料の足しになるかな

止まらない物価高騰や、いつか訪れる大震災、異常気象による農作物への被害…。近々食糧危機になるのでは、という不安の声も高まっています。ある日突然「食べ物がない!」という状況におちいるかもしれません。国からの支援が遅れ、長期的な食料不足になる可能性もあります。

この記事では食糧危機が起こる要因と、個人でできる5つの対策を徹底解説。記事を読めば、「食べ物がなくて飢えるかも」という不安を解消できます。希望をもって将来に備えることが可能です。

食糧危機の対策のポイント

食糧危機に備えるには、長期戦を想定した食料備蓄をすることが重要です。複数の食料の調達方法を確保すると安心感が増します。

★この記事の執筆者★

ミドリ
✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中

日本に食糧危機が起こる3つのシチュエーション

食糧危機が訪れる原因は1つではありません。想定される主な原因は以下の3つです。

自然災害で食料不足になる

自然災害は食料不足をまねく原因となります。物流が止まったり、農作物が被害を受けたりするからです。

自然災害の種類

自然災害には「地震」「津波」「台風」「豪雨」「干ばつ」「火山噴火」「大雪」などがあります。規模が大きいほど、食料への影響も深刻です。

食料確保への影響

自然災害により食料の確保が難しくなります。主な影響は以下の通りです。

  • 物流が止まり、店に食品が届かなくなる
  • 農作物が被害を受け、食料を供給できなくなる
  • 被災者も企業もダメージを受け、食料確保どころではなくなる
  • 気候変動や異常気象で、農作物が育たなくなる

南海トラフや首都直下地震など、大規模災害が予想されています。被害が広範囲であるほど、救助も復興も遅れるので要注意です。食糧難の長期化も、考えておかなくてはいけません。

ミド
ミド

日本は自然災害が多い国です。日頃から意識して、災害への備えをしてください。

紛争で食料の輸入が途絶える

紛争が食料不足を引き起こすこともあります。遠い国々の争いでも、他人事と軽視しては危険です。日本に食料や原料を輸入できなくなる事態もありえます。

食料の輸入が妨げられる要因

食料の輸入が止まる大きな要因は、4つあります。

  • 紛争国の農地が戦闘により破壊される
  • 農民が避難することで生産者がいなくなる
  • 紛争国のインフラが破壊される
  • 検問や戦闘で食料の流通が止まる

紛争は人や物の流れを止めてしまうので、要注意です。

食料の輸入が止まった時の日本への影響

紛争で食料が輸入できない場合、日本への影響は甚大です。食料の供給が減り、価格が高騰します。低所得者ほど食料が買えません。

農作物を育てる化学肥料は、大半が輸入です。化学肥料は主に「窒素」「リン酸」「カリウム」の3つ。日本ではほぼ生産できません。輸入が止まると、日本の農業は壊滅的になります。

家畜を育てる飼料も、ほとんど輸入です。飼料は主にトウモロコシが原料。トウモロコシを育てるには広大な面積が必要です。狭い日本で生産するのは、現実的ではありません。

ミドリ
ミドリ

輸入飼料が安価なことも、海外依存に拍車をかけています。

紛争による流通への影響は大きいです。紛争が広がると、食料供給へのダメージも大きくなります。日本が紛争に巻き込まれるかもしれません。紛争は食糧危機を引き起こす可能性があります。

物価高騰で食料が買えなくなる

物価高騰は食糧危機をまねく危険性があります。物価とともに所得も上がらないと、物を買えなくなるからです。止まらない値上がりに「いつか食材が買えなくなるかも」と感じる人も増えています。

日本は食料自給率が低く、海外への依存度が高いです。世界的に物価が高騰すると、輸入食材も高額になります。海外情勢に影響されやすいのが現状です。

ミドリ
ミドリ

円安や農作物の不作など、様々な原因で価格が高騰しています。

物価が上がり続けると、低所得者ほど食べ物が買えなくなります。値上げ幅が劇的に大きくなれば、食糧危機におちいる可能性も高いです。

感染症の流行も食糧難の引き金になる
新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックで、食糧難になる可能性もあります。人の移動や経済活動が制限されたことは、記憶に新しいです。物流が止まり、人手不足になります。

新型コロナの事例から分かるように、食料供給が完全にストップすることはありません。しかし買い占めや、一部地域での食料品不足が起こります。日頃から食料を備蓄しておくことが重要です。

食糧危機にそなえる5つの対策

食糧危機を考え、個人でできる対策をしましょう。対策は以下の5つです。

食糧備蓄

自然災害の重要な対策の一つが食糧備蓄です。ポイントをおさえて準備してください。

必要な食料備蓄量

災害が発生すると、スーパーやコンビニからあっという間に食料品が消える可能性があります。最低でも3日分、できれば7日分の食料を事前に備蓄しておきましょう。

①最低「3日分」の備蓄

食料備蓄は最低でも3日分は必要です。大規模災害なら、発生後72時間は支援が来ないと考えましょう。72時間は人命救助や、支援車両のための道路開通が最優先だからです。3日間は自力で食べていけるよう準備してください。

②できれば「7日分」の備蓄

7日分の食料備蓄があればより安心です。大都市だと被災者が多く、支援が届きにくい可能性があります。山間部などは、唯一の道路が寸断されると、陸の孤島になりかねません。

ミドリ
ミドリ

災害が甚大だと、都会も田舎も関係なく、支援の手が遅くなりがちです。

③長期戦も視野に「1か月分以上」の備蓄

未曽有の大災害だと、いつまでも支援が届かない可能性があります。長期戦を考えて、1か月分以上の備蓄も検討してください。

食糧備蓄のポイント

食料備蓄のポイントは以下の通りです。

  • 長期保存できる:米、パスタ、缶詰、乾物、レトルト食品など
  • 調理のしやすさ:火力無しでも温かく食べられる非常食が便利
  • 栄養バランス:炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど栄養バランスを考慮
  • 家族構成:家族構成や人数に合わせて、必要な量を備蓄

栄養バランスを考える

非常時は栄養バランスが偏りがちです。過酷な状況を生き抜くには、できるだけ健康でいることが重要。バランス良く栄養が摂れるようにしましょう。おすすめの食品は以下の通りです。

  • 炭水化物:米、パスタ、乾麺、パンなど
  • タンパク質:缶詰(魚、肉、大豆製品)、レトルト食品など
  • 野菜・果物:缶詰、乾燥野菜、ドライフルーツ、フリーズドライ食品など
  • その他:レトルトカレー、インスタント味噌汁やスープ、お菓子、飲料水など

非常時は野菜不足になる可能性が高いです。乾燥野菜や果物の缶詰などを多めに用意してください。

ミドリ
ミドリ

栄養バランスを考慮して、準備することが大事です。

食料備蓄のポイント

食料備蓄をする際のポイントは、以下の通りです。

  • ローリングストック法で備蓄(賞味期限の古いものから定期的に消費し、新しい食品を補充していく。賞味期限が切れないようにする方法)
  • 直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管。
  • ガスや電気が止まった時のために、カセットコンロを常備

食べ物は劣化していくものです。いざという時に食ベられるよう、きちんとした管理を心がけてください。

≫内閣府 防災情報のページ

野菜宅配で食料調達リスクを分散

スーパーやコンビニ以外に、食材宅配や野菜宅配を並行利用しましょう。食糧危機が発生した場合、スーパーやコンビニから突然、食料が消える可能性が高いです。食糧難の長期化も、考えておかなくてはいけません。

食料品店だけに頼っていると、いざという時に食べ物が確保できない可能性があります。普段から食材宅配や野菜宅配も利用しましょう。購入経路を分散すると、食料確保のリスクを軽減できます。非常時にあわててネット注文しても、売り切れ続出の可能性が大きいです。

ミドリ
ミドリ

食糧危機はいつ訪れるか分かりません。今のうちに野菜宅配、食材宅配を始めることをおすすめします。

農家さん直送の野菜宅配がおすすめ!!
農家さん直送野菜を定期契約すると、定期購入者の野菜やお米が、前もって確保されます。特に年間契約した場合、最初から定期顧客の分を見込んで植え付けされます。急な食料難でも定期顧客が優先されるため、手元に届く可能性が高いです。
もちろん農家さん自体が被災することも考えられます。2件以上の農家さんと契約し、各々月1で届けてもらうと良いです。

複数の野菜宅配サービスを比較検討し、自分に合ったサービスを選びましょう。
≫農家さん直送!無農薬・有機野菜宅配おすすめ産直サイト3選!
≫食材宅配のおすすめ17選!サービスの選び方を解説

農家さんの畑に収穫に行く!?新しい取り組みが始まっている

~農家さんの畑にて筆者撮影~

農家さんの畑の会員になり、直接収穫に行くという画期的な取り組みもあります。野菜宅配は、農家さんが宅配で野菜を送ります。しかし会員制の場合は、会員が直接畑で収穫するというシステムです。

<会員のメリット>
年間を通して収穫体験ができ、畑と触れ合える。子どもの食育にも役立つ。新鮮な野菜を食べられる。スーパーだけに頼らなくていい。

<農家さんのメリット>
定期的な収入になる。店頭に出せないB級品も喜ばれる。消費者の声が聞ける。

まだまだめずらしい取り組みですが、草の根レベルで少しずつ広がっています。

野菜の長期保存

野菜の長期保存も非常時にとても役立ちます。非常食ではビタミンやミネラルが不足しがちです。ビタミン・ミネラル不足は、倦怠感や疲労感、頭痛、めまい、便秘、肌荒れなどを引き起こします。免疫力も低下し感染症にかかりやすくなるので要注意です。

野菜の長期保存の方法を以下に紹介します。

冷凍保存

非常時でも電気が使えれば、冷凍保存が役に立ちます。たいていの野菜は冷凍で1か月持つからです。旬の野菜を新鮮なうちに冷凍すれば、豊富な栄養をぎゅっと閉じ込めて長期保存できます。すぐに消費できない野菜は、冷凍するように心がけましょう。

≫野菜をおいしく冷凍保存するコツ5選
≫冷凍できる野菜一覧とメリットを徹底解説

乾燥保存

乾燥野菜は保存性が高く、非常食に最適です。水に浸して戻しておけば美味しく料理ができます。電気が止まっても常温で保存可能です。

代表的な乾燥野菜は、大根、にんじん、かぼちゃ、レンコン、ごぼう、シイタケなど。ほかにも玉ねぎやトマト、キュウリ、ほうれん草など様々な乾燥野菜があります。

ミドリ
ミドリ

多種類の乾燥野菜を備蓄しておけば、様々な栄養素が摂ることが可能です。

乾燥野菜は自分でも作れますが、長期備蓄なら既製品の方が優れています。自家製だとどうしても品質に良し悪しができるからです。

しっかり干せていないとすぐに傷んでしまいます。無添加で体に良いですが、保存性が低いです。自家製なら冷蔵庫や冷凍庫での保存がお勧めです。自家製は短期的な非常食として利用してください。

筆者が実際に自宅で作っている乾燥野菜の画像
~筆者が自宅で作っている乾燥野菜~

乾燥野菜は栄養が凝縮されていて、軽量で持ち運びも便利。非常食におすすめです。

塩漬け・酢漬け

野菜は塩漬けや酢漬けにすると、保存性が高まります。塩や酢は防腐効果があり、微生物の繁殖を抑えるからです。塩漬けや酢漬けにすると、ビタミンやミネラルが損なわれにくくなります。

自家製の場合は、衛生管理が重要です。塩漬けは塩分濃度が高いため、塩抜きをしてから食べてください。冷凍保存、乾燥保存、塩漬けや酢漬けといった長期保存野菜は、非常時の野菜不足を補います

自然農法の家庭菜園

家庭菜園をおすすめする理由

自宅の庭やベランダでの家庭菜園も、非常時に役立ちます。「お店+野菜宅配+家庭菜園」で、食料調達のルートを複数確保できるからです。

自然農法をおすすめする理由

さらに自然農法で野菜を育てれば、農薬や化学肥料に頼らないため、費用をおさえられます。日本は農薬や化学肥料を、輸入に頼りきっているのが現状。有事の際、農薬や化学肥料が手に入らない可能性もあります。

ミドリ
ミドリ

自然農法は低コスト。非常時でも野菜を育てやすいです。

自然農法とはなにか

自然農法は、化学肥料や農薬を使用せず、自然の力だけで作物を育てる方法です。土壌の生態系を整え、自然の力を最大限に活用します。環境にやさしく、持続可能な農業の実現を目的とした農法です。

自然農法なら「菌ちゃん農法」がおすすめ

初心者が自然農法をするなら、今話題の「菌ちゃん農法」がおすすめです。糸状菌という微生物を利用した画期的な農法で、九州大学農学部修士、元長崎県庁農業改良普及員の吉田俊道氏が考案しました。

初心者でも成功しやすいのが人気の理由です。吉田氏が管理されているフェイスブックの菌ちゃん農法実施者さんたちのグループは、メンバーが3.5万人(令和7年4月時点)も!

ミドリ
ミドリ

多くの人が菌ちゃん農法に取り組み始めており、その勢いには圧倒されるものがあります。
»菌ちゃん農法とは

吉田氏も「食糧危機になってもこれなら野菜を育てられる」と述べています。非常時に頼もしい菌ちゃん農法は、食糧危機の対策としておすすめです。
»【初心者必見】無農薬野菜をベランダで簡単に!初めてでも失敗しない菌ちゃん農法

菌ちゃん畝づくりセミナーに参加しました!

高い畝(うね)が特徴の菌ちゃん農法。糸状菌は水気を嫌うので高さが必要です。菌ちゃん農法を広めるため、全国各地でセミナーが開催されています。ユーチューブでの動画もたくさんあり、オンライン講座も驚くほど安い価格です。たくさんの人が食べ物を作れるようにという吉田氏の思いが伝わってきます。

»菌ちゃん先生のオンライン講座

野草の知識を身につける

食糧危機が発生した場合、野草の知識も役立ちます。日本には食べられる野草が豊富。つくし、タラの芽、ふきのとう、ワラビ、ゼンマイ、ミツバ…など、全国に300種類以上あります。山菜採りが趣味の人も多いです。

いざという時、野草の知識は食料確保の助けになります。野草には毒を持つものもあるので要注意です。専門家の指導を受け、図鑑などでよく調べて採取してください。

ミドリ
ミドリ

山菜採りにはルールがあります。「他人の土地に勝手に入らない。知らない野草は食べない。山の獣に注意する。初心者は野草に詳しい人と同行する」というルールを守ることが重要です。

食料不足の長期化を考えた対策が重要

~農家さんの畑にて筆者撮影~

食糧危機を乗り越えるには、食料不足の長期化を想定しておくことが必要です。今、大規模災害や、長引く紛争、景気低迷の長期化が懸念されています。食糧備蓄、野菜宅配、野菜の長期保存、家庭菜園、野草の知識など、様々な対策を講じることが重要です。

家庭菜園は、初心者が野菜を採れるまで時間がかかります。今話題の「菌ちゃん農法」なら、費用をおさえつつ、初心者でも成功する確率が高いです。対策を実践することで、食糧危機に備えられ、日々の食生活を豊かにできます。

ミドリ
ミドリ

できることを少しずつ始めて、食糧危機に備えましょう。