
- じゃがいもにすぐ芽が出てしまう
- 変色しているけれど大丈夫?
- じゃがいもの保存方法がわからない…
じゃがいもは栄養価が高く、日々の料理に欠かせない食材です。しかし、保存方法を間違えると、すぐに芽が出たり傷んだりします。
この記事では、じゃがいもの正しい保存方法と注意点を詳しく解説。記事を読めば、じゃがいもを長持ちさせて、食品ロスを防げます。じゃがいもを無駄なく使い切り、家計の節約につなげましょう。
★この記事の執筆者★

- ミドリ
- ✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中

- 菜々ちゃん
(野菜の妖精) - ✅ ミドリの食の師匠(?)
✅ 野菜にまぎれて
やってきた妖精
じゃがいもを保存する前のチェック項目

じゃがいもを保存する前に確認すべきチェック項目を、以下にまとめました。
芽が出ていないか

じゃがいもを保存する前に、芽が出ていないか確認しましょう。芽があるかどうかで、じゃがいもの安全性や食べられる部分が変わります。

小さな芽なら、取り除けば大丈夫です。
大きな芽がある場合は、食べないでください。芽には有毒成分が含まれています。保存前にきちんとチェックし、芽のないじゃがいもを選べば、長く安全に食べられます。
皮が変色していないか

皮の変色は色によって判断が分かれます。赤っぽい色、黒っぽい色はメラニン色素なので、味や安全性に問題はありません。緑色は注意が必要です。ソラニンやチャコニンという天然毒素が含まれ、食べると吐き気や腹痛などが起こる場合があります。

緑色の皮でも厚めに剥けば大丈夫です。ただし苦みやえぐみがあって食べにくいかも。
質感や光沢が悪いものは、鮮度が落ちている可能性が大きいです。しっかり確認すれば、新鮮で安全なじゃがいもを選べます。異常が見られる場合は購入や使用を避けましょう。
傷が付いていないか
じゃがいもの保存は、傷がないか確認することが重要です。傷がある部分から腐りやすくなるため、以下の点に注意しましょう。
- 表面の傷や凹み
- 虫食いの跡
- 皮の剥がれ
- 打撲や圧迫による変形
- 切り傷や刺し傷

気にしすぎはフードロスにつながらない?

もちろん、すぐに食べるなら多少の傷は気にしなくて大丈夫!
表面が滑らかで均一なものが理想的です。軽い傷は保存可能ですが、深い傷があるものは避けてください。傷の周りに変色や腐敗がないかも大事なポイントです。
丁寧にチェックすると、長期保存に適したじゃがいもを選べます。保存に向かないものは、早めに食べてしまいましょう。
じゃがいもの保存方法の基本

じゃがいもの保存方法の基本は、以下のとおりです。
各保存方法について解説します。
常温保存なら風通しの良い涼しい場所
じゃがいもの常温保存は、風通しの良い涼しい場所が最適です。直射日光は避けてください。新聞紙やペーパータオルで包み、紙袋や段ボール箱に入れ保存しましょう。温度は10〜15℃が理想的です。

暑い夏場は冷蔵庫に保存してね。
定期的に状態を確認し、芽が出たら取り除きましょう。傷んだものは早めに使い切ることが大切です。実践すれば、じゃがいもは約1か月、長持ちさせられます。
» 野菜の保存方法を解説:常温保存に向いている野菜とは
冷蔵保存ならペーパーで包んで保存袋

じゃがいもを冷蔵庫で保存することもできます。新聞紙やペーパータオルで包むと余分な水分を吸収してくれます。保存袋に入れて野菜室に入れましょう。約1か月を目安に使い切ってください。

冷蔵室は温度が低い(0~6℃)ので、野菜室(3~8℃)で保存します。
定期的に状態をチェックし、傷み始めたら早めに食べましょう。冷蔵保存は、夏場や高温多湿の環境を避けるために効果的です。
» 野菜を冷蔵庫で保存する際の注意点や保存方法を解説!
冷凍保存なら生のまま丸ごと

じゃがいもの冷凍保存は「生のまま」「丸ごと」が一番です。切らずに丸ごと冷凍すると鮮度を保つことが出来ます。
じゃがいもはカットして冷凍すると水分が抜け、パサパサの食感になってしまいます。湯通しすると少しは食感保てますが、それでもあまり美味しくない…。しかしまったく切らずに冷凍すればホクホクの食感を保つことが可能です。
冷凍保存と使用の際の手順は以下の通りです。
- 冷凍保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍する
- 使用するときは、沸騰したお湯に凍ったまま入れ、固めに茹でる
- アツアツのうちに手で皮をむく(くるりと簡単にむけます)
- レシピに合ったサイズにカットして調理する

もちろん冷凍しないじゃがいもより、食感が少しだけ落ちますが、十分美味しい!数か月保存するなら冷凍が一番良い選択でしょう。

冷凍庫から出したらすぐ使いたい、という人は、じゃがいもをマッシュして冷凍する方法もあります。

マッシュして冷凍する方法は以下の通りです。
- 熱湯でゆでる
- 潰してマッシュ状にする
- 粗熱をとる
- 保存袋に平らに入れる
- 冷凍庫で凍らせる
必ず粗熱を取ってから、冷凍用保存袋に入れましょう。空気を抜いて密封すると冷凍焼けを防げます。

冷凍焼けは、野菜の水分が凍って細胞壁を破壊することです。
マッシュしたじゃがいもは保存袋の中で平らに並べると、凍りやすいです。凍るまでの時間が短いほど鮮度を保てます。また使うときに必要な分だけ取り出しやすいのもメリット。冷凍したじゃがいもは、凍ったまま調理するのがおすすめです。
使いかけや調理済みじゃがいもの保存方法

使いかけや調理済みじゃがいもの保存方法を以下に紹介します。
切り口があるじゃがいもの保存
切り口のあるじゃがいもの保存方法は、以下のとおりです。
- 切り口をラップで覆い冷蔵する
- 乱切りにして水に浸し冷蔵する
- マッシュポテトにして冷凍する
簡単なのはラップに包む方法です。切り口が空気に触れないようにして、全体をピッタリと包んでください。1週間くらいで使い切りましょう。
水に浸けて保存する方法もあります。タッパーや保存袋に水を入れ、乱切りにしたじゃがいもを水に浸かるように入れてください。フタやジッパーはしっかりと閉めます。


栄養が流出しやすいため、1〜2日以内に使い切りましょう。
しばらく使わない場合は、ゆでて潰してマッシュ状にし、冷凍してください。目安は約1か月です。
カットして残ったじゃがいもも、正しく保存すれば鮮度を保てます。
ゆでたじゃがいもの保存

ゆでたじゃがいもは適切に保存すれば、おいしく食べられます。室温では1〜2日、冷蔵庫では3〜5日、冷凍庫では1〜2か月保存可能です。密閉容器や保存袋に入れて保存します。

夏場は室温は避けてね!
冷凍保存時は、潰してマッシュ状にし、粗熱をとってから小分けにして冷凍すると使いやすいです。解凍後の再冷凍は避けてください。食感や風味が落ち、食中毒の危険性も高まります。
次に使うのはいつかを考えて、正しく保存しましょう。
焼いたじゃがいもの保存
焼いたじゃがいももおいしく保存できます。焼いたじゃがいもはタッパーや保存袋に入れ、冷蔵庫で3〜5日保存可能です。長期間保存なら冷凍がおすすめ。冷凍すれば1〜2か月保存できます。
茹でたり焼いたりしたじゃがいもを保存する際は、粗熱をとって保存すると長持ちします。熱いまま冷凍すると、表面が急激に冷やされて収縮し、内側の水分が細胞から抜け出してしまいます。
使う時は、凍ったまま調理しましょう。解凍すると、じゃがいもから水分が流れ出てしまい、食感が悪くなります。

調理後のじゃがいもも、正しく保存して無駄なく食べきりましょう。
じゃがいもを保存するときの注意点

じゃがいもを保存するときの注意点は、以下のとおりです。
直射日光を避ける
常温保存の際、直射日光を避けることは、とても重要です。光に当たると皮の緑化や発芽が促進されます。暗所や遮光性の高い場所を選んで保存してください。常温保存なら光が届きにくい北側のスペースや、玄関の日陰、日の当たらない廊下などがおすすめです。

紙袋、段ボール箱に入れるとさらに安心!
直射日光を避けて、じゃがいもの品質を長持ちさせましょう。
湿気を避ける

じゃがいもの保存には、湿気を避けることが求められます。湿気は腐敗や発芽の原因になるため、適切な対策が必要です。湿気を避けるための効果的な方法を以下に紹介します。
- 風通しの良い場所に置く
- 新聞紙やペーパータオルで包む
- 紙袋や段ボール箱に入れる(常温保存)
上記3つは、湿気を吸収して空気を循環させる方法です。常温で保存する場合は、ポリ袋を使わず直接保存しましょう。ポリ袋は湿気がこもりやすいからです。湿気取り剤を一緒に入れるのも効果的です。

ポリ袋はダメなの?冷蔵の時も?

冷蔵庫は乾燥しやすいから、逆にポリ袋に入れた方がいいの。新聞紙やペーパータオルが濡れてきたら交換してね。
定期的にじゃがいもと湿気の状況をチェックすることが大切です。実践すれば、じゃがいもが長もちします。湿気対策は、じゃがいもの保存において重要なポイントです。
傷や傷んだ部分を放置しない
傷や傷んだ部分は放っておいてはいけません。じゃがいもは傷があるところから腐敗していきます。長期保存するなら早めに対処しましょう。小さな傷は皮をむいて使い、大きな傷や腐りかけた部分は切り取ってください。
保存中のじゃがいもを定期的にチェックし、傷み始めていたら、早めに使いましょう。

ちゃんと管理して、じゃがいもを無駄なく消費したいな。
芽が出ていたら取る
じゃがいもの芽は除去しましょう。芽には有毒成分のソラニンやチャコニンが含まれており、体に悪い影響を及ぼす恐れがあります。ソラニンやチャコニンは加熱しても分解されにくく、摂取すると食中毒の症状が現れる場合があります。
芽が出始めたじゃがいもの場合、芽を深くえぐり取れば安全に食べられます。
芽が大きく育ち、緑色や柔らかい部分がある場合は、全体を廃棄するのが適切です。芽を取り除いても、根本まで有毒物質が広がっている恐れがあります。安全性を優先する場合は、食用としての使用を避けてください。

芽が出たじゃがいもは種イモとして使ってもいいですね。
じゃがいも保存に関するよくある質問

じゃがいも保存に関するよくある質問を以下にまとめたので参考にしてください。
じゃがいもは洗ってから保存すべき?
洗うと水分が付着し、腐りやすくなるため、洗わずに保存するのがおすすめです。泥付きのまま保存すると、鮮度を長く保てます。泥が外部環境から守る役割を果たしてくれるためです。

保存前に洗わなければいけない時は、完全に乾かしてから保存してください。
泥を落とす際には乾いた布やブラシで軽く取り除きましょう。どうしてもという場合をのぞき、水洗いはしない方が良いです。じゃがいもは使う直前に洗いましょう。
じゃがいもの保存容器は何を使うべき?
じゃがいもの保存容器は、常温か冷蔵か冷凍かで異なります。
- 常温…新聞紙かペーパータオルで包み、段ボールや紙袋へ
- 冷蔵…新聞紙かペーパータオルで包み、保存袋へ
- 冷凍…下茹でして、冷凍用の保存袋へ
常温の場合は保存袋に入れないようにしましょう。湿気がこもって腐敗しやすくなります。逆に冷蔵の場合は、冷蔵庫が乾燥しやすいため保存袋に入れます。ペーパータオルなどが湿ってきたら交換してください。
じゃがいもを新聞紙で個別に包んだり、容器の底に敷いたりすると湿気を吸収し、鮮度を保ちやすくなります。大量に保存する場合には段ボール箱も有効です。段ボールは適度な通気性があり、じゃがいもの保存に適しています。
どの容器を選ぶ場合でも、清潔さを保つことが重要です。カビや雑菌の繁殖を防げば、じゃがいもを長期間新鮮な状態で保存できます。
» 野菜ストッカーの役割|選び方から便利な使い方まで一挙解説!
まとめ

じゃがいもの保存方法を正しく知ることで、長持ちさせられます。保存前の確認や基本的な保存方法をきちんと守りましょう。使いかけや調理済みのじゃがいもの保存方法を知ると、よりじゃがいもを無駄にすることなく、おいしく使い切れます。

食品ロス削減にも役に立って、環境にも優しい取り組みね。
下茹でしたもの、調理済みのものを冷凍保存すれば、忙しい日にさっと取り出して使うこともできます。さまざまな保存方法を日常生活に取り入れて、じゃがいもを最大限に活用しましょう。
» 野菜の種類別の保存方法や長持ちさせるコツを徹底解説!