野菜不足がもたらす健康リスクとは?日々の食生活を見直すポイント

野菜不足がもたらす健康リスクとは?日々の食生活を見直すポイント

「野菜を食べた方が良いとわかっているのに食べられない」と悩む方は多くいます。野菜は健康に大切な栄養素を含んでいます。しかし、日々の忙しさから十分な野菜摂取ができていないのが現状です。この記事では、日本人の野菜摂取状況や野菜不足がもたらす健康リスク、野菜不足を解消する方法について詳しく解説します。

記事を読めば、忙しい日々の中でも無理なく野菜摂取量を増やす方法がわかります。野菜不足を解消するには、日常生活の中で少しずつ野菜を取り入れる工夫が必要です。野菜主体の料理を選んだり、スムージーを作ったりして野菜摂取量を増やしましょう。

★この記事の執筆者★

ミドリ
✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中
菜々ちゃん
(野菜の妖精)
✅ ミドリの食の師匠(?)
✅ 野菜にまぎれて
 やってきた妖精

日本人の野菜摂取状況

ミドリ
ミドリ

日本人の野菜摂取状況を、以下の項目に分けて解説します。

日本人の平均野菜摂取量

日本人の野菜摂取量は性別や世代によって異なりますが、300g前後です。1日の平均野菜摂取量は、以下のとおりです。

  • 成人男性:280g
  • 成人女性:270g
  • 20代の平均:250g
  • 60代以上の平均:320g

年代別では20代の摂取量が最も少なく、60代以上が最も多くなります。都市部での野菜不足の傾向にあり、東北や北陸地方では摂取量が多い傾向にあります。全体的な摂取量は過去20年間で減少傾向にあるのが現状です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

夏は食欲不振になりがちだから、野菜の摂取量も少なくなる傾向です。» 理想的な野菜の摂取量と効率的に摂取量を増やすコツを解説

厚生労働省が推奨する野菜摂取量

厚生労働省は、健康的な食生活のために1日350g以上の野菜摂取を推奨しています。350gは野菜の小鉢5皿分(1皿70g)です。緑黄色野菜は120g以上、その他の野菜は230g以上の摂取を目標にしましょう。多様な種類の野菜をバランス良く食べることで達成できます。

ミドリ
ミドリ

生野菜もいいけれど、加熱するとカサが減ってたくさん食べられるからお勧めよ。

加熱することで栄養素の吸収率が上がる野菜も多くあります。調理方法を工夫して、より多くの栄養を摂取しましょう。

野菜不足になる原因

野菜不足の主な原因は、現代の生活スタイルや食環境の変化にあります。野菜不足を引き起こす主な要因は以下のとおりです。

  • 仕事による調理の機会損失
  • 外食やコンビニ食の増加
  • 野菜の価格変動
  • 野菜料理のレパートリー不足
  • 保存や調理方法の知識不足

単身世帯では野菜不足が深刻になっています。調理する機会が減り、簡単な食事で済ませがちになるためです。野菜の価格高騰も購入を控える原因になっています。無農薬野菜など品質の良い野菜を選びたい気持ちはあっても、価格面で躊躇してしまう方も多くいます。
» 無農薬だから安心ではない?無農薬野菜の危険性と選び方

野菜が健康に与える影響への理解不足も、積極的な摂取を妨げる要因の一つです。

ミドリ
ミドリ

野菜不足の解決は簡単じゃなさそうね。

野菜不足がもたらす健康リスク

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜不足による健康リスクは以下のとおりです。

疲労感

野菜不足は慢性的な疲労感をもたらします。体内のビタミンやミネラルが不足すると、エネルギー代謝が低下するためです。野菜に含まれる栄養素は、体の機能を正常に保つ重要な役割を果たします。ビタミンB群やビタミンC、鉄分などは、体のエネルギー生産に欠かせません。

栄養素が不足すると集中力や作業効率の低下、睡眠の質の低下などが起こります。野菜不足による酸化ストレスの増加も疲労感の一因です。

野菜に含まれる抗酸化物質を十分に摂取すると、体内の酸化ストレスを軽減できます。

肌荒れ

肌の健康に必要な栄養素が不足すると、さまざまな肌トラブルが発生します。症状は肌の乾燥やかゆみの増加、ニキビやニキビ跡の悪化、肌のハリや弾力の低下などです。野菜に含まれる抗酸化物質やビタミン類が不足すると、肌荒れが発生しやすくなります。

ビタミンCやビタミンEは肌の健康維持に重要な役割を果たし、カロテノイドは肌を紫外線から守ります。野菜不足による肌荒れを防ぐためには、毎日の食事で十分な量の野菜を摂取することが大切です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

緑黄色野菜は栄養価が高いので、積極的に取り入れましょう。

免疫力の低下

野菜不足により免疫力が低下すると、体の防御システムが弱くなります。免疫力の低下による影響は以下のとおりです。

  • 免疫細胞の減少
  • 病原体への抵抗力低下
  • 風邪やインフルエンザの罹患
  • 感染症リスクの増加
  • アレルギー症状の悪化

免疫力が低下すると体内の炎症反応に異常が生じたり、自己免疫疾患のリスクが上がったりします。傷の治りが遅くなったり、慢性的な疲労を感じたりする可能性もあります。

ミドリ
ミドリ

免疫力を上げるためには、毎日十分な量の野菜を摂取することが大切!

消化不良や便秘

野菜に含まれる食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化します。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、健康的な腸内環境を維持する重要な役割を果たすためです。適切な腸内環境を保つには、毎日の食事で十分な量の食物繊維を摂取する必要があります。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

腸内細菌のバランスが崩れると、便秘や消化不良などの症状は避けられません。便秘が続くと体内に毒素がたまり、腹部膨満感やガスの発生などの不快な症状が起こります。

野菜は水分も多く含んでいるため、便秘解消には欠かせない存在です。水分が不足すると便が硬くなりやすく、さらに重い便秘になります。

生活習慣病のリスク増加

野菜不足は、さまざまな生活習慣病のリスクを高めます。日常的な野菜不足で起こりうる生活習慣病は以下のとおりです。

  • 高血圧
  • 心臓病
  • 脳卒中
  • 2型糖尿病
  • 高コレステロール血症

生活習慣病を予防するためには、野菜から摂取できる栄養素が重要です。野菜に含まれる食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑え、血中コレステロール値を下げる働きがあります。

カリウムは体内の余分な塩分を排出し、血圧の上昇を防ぐのに効果的です。抗酸化物質は血管の健康を保ち、動脈硬化を予防します。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

生活習慣病の予防には、質の良い野菜を十分に摂取することが大切です。

ミドリ
ミドリ

野菜のちからってスゴイのね!

野菜不足を解消する方法

野菜不足を解消するための効果的な方法は以下のとおりです。

野菜主体の料理を選ぶ

野菜主体の料理を選ぶことは、効率的に野菜を摂取できる優れた方法です。野菜を中心とした料理で体に必要な栄養素を補給できます。野菜を主役にしたメニューを意識的に増やしましょう。

旬の野菜を取り入れると、より豊富な栄養価と食材本来の味わいを楽しめます。和食は野菜を効率的に取り入れやすい食事スタイルです。一汁三菜の基本構成では、自然と野菜が多く取り入れられます。野菜の煮物や和え物、お浸しなど、さまざまな調理法を実践しましょう。
» 一汁三菜とは?基本からアレンジ方法、食べ方まで詳しく紹介

外食時は定食やベジタリアンメニューを積極的に選んでください。サラダバーのあるお店では、新鮮な野菜を自分の好みの量で取り入れられます。テイクアウトでは野菜たっぷりの総菜や弁当を選ぶと、手軽に野菜を補給できます。

ミドリ
ミドリ

ラーメンとごはんのセット、好きなんだけど…野菜ほとんど入ってないなぁ。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

そういうのはたまに食べるくらいにして。1食当たり野菜の小鉢を2皿以上取り入れましょうね。
» オーガニック食品がおすすめな理由
» 冷凍の弁当宅配がおすすめな人

冷凍野菜をストックする

冷凍野菜のストックは、忙しい現代生活での野菜不足解消に効果的です。新鮮な野菜を収穫後すぐに冷凍することで、栄養価を損わずに保存できます。

冷凍野菜の活用で得られる主なメリットは以下のとおりです。

  • 収穫時の栄養価を維持できる
  • 3週間〜1か月の長期保存ができる
  • 調理時間を30〜50%短縮できる
  • 食材の無駄を減らせる
  • 季節を問わず入手できる

冷凍野菜は自然解凍せず、凍ったまま調理に使用すると食感や栄養価を保てます。電子レンジでの加熱は、栄養素の損失を最小限に抑えられる調理法です。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

炒め物や煮物に使用する際は、解凍時に出る水分を活用すると旨味を逃さず調理できます。

» 冷凍食品は体に悪い?安全性や健康への影響を解説

家庭での冷凍保存も効果的です。旬の野菜を新鮮なうちに冷凍することで、最も栄養価が高い状態で保存できます。ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜は、下茹でしてから冷凍すると調理が簡単です。

ミドリ
ミドリ

玉ねぎやにんじんなどの根菜類は、みじん切りにして冷凍しておくとサッと使えて便利!調理時間を大幅に短縮できます。
» 野菜をおいしく冷凍保存する方法を解説
» 冷凍できる野菜の種類や保存方法、解凍のコツを解説!

スムージーを作る

スムージーは短時間で効率的に野菜を摂取できる優れた方法です。生の野菜をミキサーで細かく砕くことで、消化吸収率が高まり、より多くの栄養素を体内に取り入れられます。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜本来の栄養価を最大限に活かすため、新鮮な材料を使用することが重要です。

無農薬や有機野菜を使用したスムージーは、農薬などの心配なく、安心して栄養補給ができます。効果的なスムージー作りには、材料の組み合わせが重要です。葉物野菜は葉酸や鉄分が豊富で、にんじんやかぼちゃなどの野菜はβカロテンを補給できます。

自然な甘みと食物繊維を補給できるので、りんごやバナナなどの果物を加えることもおすすめです。生姜やシナモンなどのスパイスを加えると、代謝を促進する効果も期待できます。1日の理想的な摂取量は300〜400mlです。ただし、スムージーだけで野菜摂取を完結させないことが重要です。

咀嚼による消化酵素の分泌促進や、食物繊維による腸内環境の改善には、固形の野菜が欠かせません。スムージーは、通常の食事を補完する形で活用しましょう。朝食代わりや午後のおやつとして取り入れると、1日の野菜摂取量を無理なく増やせます。

ミドリ
ミドリ

基本は「噛んで食べる」ね!

野菜不足を解消する際の注意点

野菜不足を解消する際に注意点は、以下のとおりです。

野菜不足を解消するには、バランスの取れた栄養摂取と安全性を確保しましょう。

特定の野菜に偏らない

特定の野菜に偏らないことは、バランスの良い栄養摂取の基本です。多様な野菜を取り入れることで、さまざまな栄養素を効率的に摂取できます。緑黄色野菜と淡色野菜、葉物野菜と根菜類、果菜類と茎菜類など、異なる種類の野菜をバランス良く組み合わせましょう。

季節の野菜は栄養価が高く、味も良いので食事が楽しくなります。調理法を工夫すると、同じ野菜でも飽きずに食べ続けられます。和食や洋食、中華など、さまざまな料理に野菜を取り入れましょう。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

多様な野菜を取り入れると効果的な栄養補給が可能です。
» 農薬の人体への影響

鮮度に気を付ける

新鮮な野菜を選ぶと、より効果的な栄養摂取につながります。鮮度の高い野菜は栄養価が高く、おいしく食べられます。新鮮な野菜を選ぶ際の主なポイントは以下のとおりです。

  • 色鮮やかで艶がある野菜
  • 緑が濃く張りがある葉物
  • 固くてずっしりしている根菜
  • 旬の野菜
  • 産地直送の野菜

購入後はできるだけ早く消費することが重要です。すぐに食べられない場合は適切な保存方法を守りましょう。葉物は水気を切ってから保存し、根菜類は乾燥を防ぎます。カット野菜は消費期限に注意が必要です。変色や異臭がある野菜は避け、新鮮な野菜を選んでください。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

購入後は丁寧な保存と早めの消費を心がけましょう。
» 野菜の種類別の保存方法や長持ちさせるコツを徹底解説!

野菜不足に関するよくある質問

野菜不足に関する以下のよくある質問に回答します。野菜ジュースやサプリメントで栄養摂取をしようと考えている方は、参考にしてください。

野菜ジュースで野菜不足は解消できる?

野菜ジュースだけで野菜不足を完全に解消することは難しいです。野菜ジュースは加工過程で食物繊維が減少し、加熱処理によってビタミンCなどの栄養素が失われます。

商品によってはカロリーや糖分が高いものもあるため注意が必要です。野菜ジュースを選ぶ際は、無添加・低糖度の商品を選んでください。

1日の摂取量は200ml程度を目安にしましょう。あくまでも野菜ジュースは補助的に活用し、生野菜と組み合わせて摂取してください。

菜々ちゃん
菜々ちゃん

野菜ジュースだけに頼らず、バランスの良い食事を心がけることが大切です。» 野菜ジュースに含まれる栄養素と選び方を解説

サプリメントで野菜不足は補える?

サプリメントで野菜不足を完全に補うことは困難です。野菜には複雑な栄養成分が含まれているため、サプリメントだけですべてを補えません。しかし、サプリメントには特定の栄養素を補給する役割はあります

サプリメントを利用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 過剰摂取を避ける
  • 健康状態に合わせて選ぶ
  • 医師や栄養士に相談する
  • 品質の確かな商品を選ぶ
  • 食事が基本という意識を持つ

野菜不足の解消には、実際に野菜を食べることが最も効果的です。バランスの取れた食事を基本としつつ、必要に応じてサプリメントを併用しましょう。

ミドリ
ミドリ

サプリを飲んでいるからって安心しちゃってたな、反省。

まとめ

日本人は、厚生労働省が推奨する1日に350gの野菜を摂取できていません。野菜不足になると肌荒れや免疫力の低下、生活習慣病のリスクの増加などが発生します。

冷凍野菜やスムージーなども活用すれば野菜摂取量は増えます。多品目の野菜を積極的に取り入れることで、より効果的な栄養補給が可能です。

ミドリ
ミドリ

完璧を求めすぎず、自分のペースで着実に取り組んで、少しずつ野菜を摂取する習慣を身に付けましょう。