
現代社会では忙しさや調理の手間、好みの影響で、十分に野菜を摂取できず悩む人が多くいます。野菜が不足すると、肌荒れや便秘などのトラブルだけでなく、免疫力の低下による感染症にも注意が必要です。この記事では、野菜ジュースに含まれる栄養素や健康効果、選び方、注意点などを詳しく解説します。
記事を読めば、野菜ジュースを効果的に摂取する方法がわかり、より健康的な生活を送るためのヒントが得られます。野菜ジュースは、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を手軽に摂取できる優れた飲み物です。選び方や飲み方に注意が必要なため、適切に利用してください。
» 野菜不足がもたらす健康リスクと解消法について解説!
★この記事の執筆者★

- ミドリ
- ✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中

- 菜々ちゃん
(野菜の妖精) - ✅ ミドリの食の師匠(?)
✅ 野菜にまぎれて
やってきた妖精
野菜ジュースに含まれる栄養素

野菜ジュースに含まれる栄養素は、以下のとおりです。
ビタミン
野菜ジュースには多くのビタミンが含まれています。体の健康維持に欠かせない栄養素であるビタミンの主な種類は、以下のとおりです。
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- ビタミンB群
ビタミンは水溶性と脂溶性の2種類に分類されます。
区分 | 水溶性ビタミン | 脂溶性ビタミン |
---|---|---|
種類 | ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンC | ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK |
性質 | 水に溶ける | 油に溶ける |
主な働き | エネルギー代謝、神経機能、免疫機能、皮膚や粘膜の健康維持など | 歯や骨を作る、視力維持、抗酸化作用、血液凝固など |
注意点 | 体内に蓄積されないため、毎日継続して摂取することが大切 | 体内に蓄積されるため、過剰摂取に注意が必要 |
ビタミンにはそれぞれ重要な役割があります。ビタミンAは目の健康を保ち、ビタミンCは免疫機能を高めるのに効果的です。ビタミンEには抗酸化作用があり、ビタミンKは血液凝固を促進します。ビタミンB群は代謝を促進し、神経機能のサポートに有効です。

野菜ジュースを飲めば、手軽にビタミンを摂取できます。ただし、基本は固形の野菜を食べること。野菜ジュースを補助的に利用することで、より効果的にビタミンを摂取できます。
抗酸化物質

野菜ジュースに含まれる抗酸化物質には、ポリフェノールやフラボノイド、カロテノイドなどがあります。抗酸化物質は、体内の活性酸素を中和し、酸化ストレスを軽減するのに効果的です。他にも抗酸化物質には、以下の働きがあります。
- 細胞の損傷を防ぐ
- 老化を遅らせる
- がん・心臓病のリスクを低減する可能性がある
- 抗炎症作用がある
- 免疫系を強化する
野菜の色が濃いほど、抗酸化物質が豊富に含まれています。抗酸化物質は熱や光によって分解されやすいため、新鮮な状態で摂取するのが理想的です。
野菜ジュースを選ぶ際は、さまざまな種類の野菜を組み合わせたものを選べば、多様な抗酸化物質を摂取できます。ただし、過剰摂取には注意が必要です。

バランスの良い摂取が大事ね。
ミネラル
ミネラルは体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素です。カリウムは血圧を調整し、筋肉の機能を維持します。カルシウムは骨や歯を形成し、神経の伝達を助けます。マグネシウムはエネルギー代謝や筋肉の機能に必要です。
鉄分は赤血球を作り、酸素を体中に運びます。亜鉛は免疫機能を高め、傷の治りを助けます。野菜ジュースからミネラルを摂取すれば、体のさまざまな機能をサポート可能です。
食物繊維

食物繊維は胃で消化されずに腸まで届くため、健康にさまざまな良い影響を与えます。食物繊維は不溶性と水溶性の2種類です。それぞれの主な性質や働きは以下の通りです。
区分 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
---|---|---|
性質 | 水に溶ける | 水に溶けない |
主な働き | 血糖値の急上昇を抑制 善玉菌を増やす コレステロール値を低下 | 便通を促進 有害物質を排出 |
主な野菜 | ニンジン、ゴボウ、オクラ、大豆、わかめ、昆布、リンゴ、みかん、バナナなど | キャベツ、ブロッコリー、トウモロコシ、インゲン豆、玄米、シイタケ、エリンギなど |
1日の推奨摂取量は20〜25g程度です。野菜ジュースは手軽に食物繊維を摂取できますが、生の野菜や果物、全粒穀物の方が食物繊維を多く含んでいます。

食物繊維は大腸がんのリスクを下げる可能性もあるため、積極的な摂取がおすすめです。
栄養豊富な野菜ジュースの健康効果

野菜ジュースの健康効果は以下のとおりです。
免疫力の向上
野菜ジュースには免疫システムを強化するさまざまな栄養素が含まれています。免疫力の向上に効果的な栄養素は、以下のとおりです。
- ビタミンC
- 亜鉛
- 食物繊維
- ポリフェノール
- カロテノイド
ビタミンCは免疫細胞を活性化し、亜鉛は免疫機能を強化します。食物繊維は腸内環境を改善し、免疫力を高めるのに効果的です。ポリフェノールには抗炎症作用があり、免疫システムを調整します。カロテノイドは免疫細胞を増やし、機能を強化します。
消化機能の改善

栄養豊富な野菜ジュースは、消化機能の改善に効果的です。食物繊維が豊富に含まれているため、便秘解消にも役立ちます。腸内環境の改善や消化酵素の活性化、腸の蠕動(ぜんどう)運動の促進などにも効果的です。

野菜ジュースに含まれる酵素は消化を助け、水分が補給されて消化器系が潤滑されることで、スムーズな排便につながります。適量を守り、継続的に摂取すれば、消化機能の改善が期待できます。
肌の健康維持
栄養豊富な野菜ジュースは、ビタミンCやEなどの抗酸化物質が含まれ、肌を守るのに効果的です。ビタミンCやEが肌を酸化から守り、カロテノイドが紫外線による肌へのダメージを軽減します。
ビタミンAはコラーゲンの生成を助けるのに役立ちます。野菜ジュースに含まれる抗炎症成分は、肌トラブルの改善にも有効です。
ミネラルは肌細胞の代謝を促進し、食物繊維は腸内環境を整えて肌の健康維持に貢献します。シミやシワの予防には、ポリフェノールが効果的です。亜鉛は肌の修復と再生を手助けします。

ビタミンKは血行を良くして、肌のくすみを改善する効果があります。
栄養豊富な野菜ジュースの選び方

栄養豊富な野菜ジュースの選び方は、以下のとおりです。
栄養成分で選ぶ
野菜ジュースを選ぶ際は、栄養成分の表示を確認することが重要です。ビタミンやミネラルの含有量に注目しましょう。抗酸化作用のあるビタミンAやC、Eが豊富に含まれている野菜ジュースがおすすめです。

食物繊維の含有量もしっかり確認してね。食物繊維は腸内環境を整え、消化機能の改善に役立つ大事な栄養素!
野菜の種類と配合比率も重要なポイントです。原材料表示をチェックし、多くの種類の野菜が使用されている野菜ジュースを選びましょう。100%果汁や無添加を選べば、より自然な栄養を摂取できます。低糖・低カロリーの野菜ジュースを選ぶことも大切です。
添加物や保存料の有無で選ぶ

添加物や保存料の有無は、栄養豊富な野菜ジュースを選ぶのに重要なポイントです。できるだけ自然な状態の野菜の栄養を摂取するには、無添加・無保存料の製品を選びましょう。原材料表示を確認し、添加物を確認してください。100%果汁の野菜ジュースや有機野菜を使用したジュースを選ぶのも良い方法です。
無添加・無保存料の製品は賞味期限が短いことがデメリットです。飲み切れる量を購入し、開封後は冷蔵保存して早めに飲み切りましょう。

添加物や保存料の有無に注目して野菜ジュースを選べば、より自然で栄養豊富な製品を楽しめます。
糖質と塩分の含有量で選ぶ
健康に気をつけるために、糖質と塩分の含有量が低い野菜ジュースを選びましょう。原材料表示を見て、栄養成分表示で糖質と塩分量を確認してください。低糖質・低塩分の商品を探すのも良い方法です。100%ジュースを選べば、余計な糖質や塩分の添加を避けられます。
糖質や塩分の1日の摂取目安量を考慮して選ぶことも重要です。自分の健康状態や目的に合わせて、最適な商品を探しましょう。
野菜ジュースの栄養を最大限に生かす方法

野菜ジュースの栄養を最大限に生かす方法は、以下のとおりです。
スムージーにする
スムージーにすれば、野菜ジュースの栄養価をさらに高められます。野菜や果物を丸ごと使用するため、繊維質を残しつつ、ビタミンやミネラルの損失を最小限に抑えることが可能です。スムージーのメリットは消化吸収率が高く、飽和感を得やすい、カスタマイズが容易な点です。
より栄養価の高いスムージーを作るために、冷凍フルーツや野菜、ヨーグルト、豆乳などを追加できます。他にもナッツやシードは健康的な脂質を摂取でき、生姜やターメリックは抗炎症効果を高めます。材料を組み合わせて、自分好みの栄養豊富なスムージーを作ってください。
料理に取り入れる
野菜ジュースを料理に取り入れることで、栄養価を高めつつ、風味豊かな料理を作れます。野菜ジュースを常備して、さまざまな料理に活用しましょう。スープやシチューのベースに使用したり、ドレッシングやソースの材料にしたりできます。

炒め物や煮込み料理に加えたり、マリネ液として肉や魚に使用することも可能です。パスタソースに混ぜ込む方法もおすすめです。野菜ジュースを料理に取り入れる際は、塩分や糖分の含有量に注意しましょう。
野菜ジュースで栄養を摂る際の注意点

野菜ジュースで栄養を摂る際の注意点は、以下のとおりです。
高血糖のリスク
野菜ジュースには多くの栄養素が含まれていますが、糖分も多く含まれている場合があるため、注意が必要です。果物や甘味料が添加された野菜ジュースは、糖分含有量が高くなる傾向にあります。

野菜ジュースの過剰摂取による血糖値の急激な上昇には、以下のリスクが考えられます。
- インスリン抵抗性の発生
- 糖尿病患者の症状悪化
- 長期的な代謝への悪影響
空腹時に野菜ジュースを飲むと、血糖値が急激に上昇しやすくなります。食事と一緒に野菜ジュースを摂取した場合も、総カロリーが増加してしまう可能性があるため注意が必要です。血糖値が気になる方や糖尿病患者の方は、糖分の少ない野菜ジュースを選び、適量を守ってください。
塩分過多の危険
野菜ジュースには塩分が多く含まれている場合があるため、注意してください。過剰な塩分摂取は、高血圧のリスクを高め、心臓病や脳卒中の発症リスクも上昇させる要因となります。むくみの原因にもなり、体内の水分バランスを崩します。塩分の取りすぎは腎臓にも負担です。
骨粗しょう症や血管の硬化、味覚障害を引き起こす原因にもなります。最悪の場合、胃がんのリスクも高めるため、塩分量には十分注意してください。野菜ジュースは減塩の製品を選ぶか、水で薄めて飲むなどの工夫をしましょう。
健康的な生活を送るためには、塩分の摂取量に注意が必要です。
野菜ジュースの栄養に関するよくある質問

野菜ジュースの栄養に関する疑問について、よくある質問をまとめました。野菜ジュースの栄養や効果、選び方について学びたい方は、参考にしてください。
野菜ジュースで生の野菜と同じ栄養を摂取できる?
野菜ジュースだけでは生野菜と同じ栄養を完全には摂取できません。野菜ジュースは、生野菜の栄養を部分的に含んでいますが、加工過程で栄養素の一部が失われてしまいます。水溶性ビタミンであるビタミンCは、加工中に失われやすい栄養素の一つです。食物繊維の量や質も変化します。

野菜ジュースはバランスの取れた食事の一部として、補助的に取り入れることがおすすめです。
野菜ジュースの栄養は保存中に変化する?

野菜ジュースの栄養は、保存中に徐々に変化します。開封後は特に注意してください。主な変化の原因は酸化や光、熱による影響です。開封すると空気に触れて酸化が進み、栄養価が低下します。

未開封の場合は常温保存でも比較的安定しており、賞味期限内なら大きな変化はありません。なるべく早く飲み切ることを心がけましょう。長期保存には冷凍も有効ですが、解凍時に栄養価が低下する可能性があります。
野菜ジュースの飲みすぎは良くない?
野菜ジュースの飲みすぎは健康に悪影響を与えます。主な理由は、カロリーと糖分の過剰摂取や、栄養バランスの偏り、消化器系への負担です。野菜ジュースを飲み過ぎると、ビタミン・ミネラルの過剰摂取や塩分の過剰摂取による高血圧のリスクが心配されます。
体重増加の原因にもなるため、注意してください。

野菜ジュースを頻繁に飲むと、歯にも悪影響を与える可能性があります。野菜ジュースに含まれる酸が歯のエナメル質を傷つけるためです。適量の野菜ジュースを飲むことは健康に良い効果をもたらしますが、飲みすぎには注意しましょう。
まとめ

野菜ジュースは栄養豊富で健康に良い飲み物です。ビタミンやミネラル、抗酸化物質などの栄養素が豊富に含まれています。野菜ジュースを選ぶ際は、添加物や糖質、塩分の含有量をよく確認しましょう。高血糖や塩分過多のリスクがあるため、飲みすぎには注意が必要です。
野菜ジュースは生野菜と完全に同じではありませんが、栄養補給には有効です。スムージーにしたり料理に取り入れたりすれば、栄養を最大限に活用できます。適量を守り、バランスの取れた食生活の一部として活用してください。

野菜ジュースを上手に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。