新鮮な野菜を買ったのに、使い切れず傷んで無駄にしたことがある人は多いです。この記事では、野菜をおいしく冷凍保存する方法や、野菜別の冷凍保存のコツについて詳しく解説します。
記事を読めば、野菜の鮮度と栄養価を保ちながら、長期保存する方法がわかります。
野菜をおいしく保存するには、下準備や野菜の種類に合った方法を用いることが大切です。野菜を適切に冷凍し、味や栄養を損なわずに長期間楽しみましょう。
» まとめ買いで賢く節約!おすすめ商品と失敗しないコツを解説
★この記事の執筆者★
- ミドリ
- 食品・農業系ライター。元自然食品店勤め10年のオーガニックコンシェルジュです。畑作業が趣味。
- 菜々ちゃん
(野菜の妖精) - ・ミドリの食の師匠(?)
・野菜にまぎれて
やってきた妖精
野菜をおいしく冷凍保存するコツ5選
野菜の冷凍保存は、新鮮さを長く保つために効果的です。おいしく保存するコツは、以下の5つになります。
- 短時間で冷凍する
- 水分をしっかり切る
- 小分けにする
- 適切に包装する
- 葉物は短時間湯通しする
野菜は新鮮なものを用意することが大事よ!
コツを押さえて冷凍保存すれば、野菜を上手に活用できます。
短時間で冷凍する
野菜を短時間で冷凍するのは、鮮度と栄養価を保つ重要なポイントです。新鮮なうちに素早く冷凍すれば、野菜本来の味や食感が保てます。短時間で冷凍するには、冷凍庫の温度を-18℃以下に設定してください。
急速冷凍機能や金属製のトレイがあれば活用しましょう。
そっか、金属は熱を伝えやすいものね。すぐに冷たくなるから凍りやすい!
野菜を薄く広げたり、小分けにしたりして冷凍すれば、より早く凍ります。冷凍庫の奥や底も早く凍るのでおすすめです。
短時間で冷凍すると、野菜の細胞破壊を最小限に抑えられます。つまり解凍後も鮮度が高めの野菜を楽しめるというわけです。
水分をしっかり切る
野菜を冷凍保存するときには、水分をしっかり切ることが大切です。水分が多いと、氷の結晶ができて細胞壁を破ってしまいます。水分が流出し栄養分が失われ、味も栄養価も落ちる原因に。
水分をきちんと取るには、キッチンペーパーで拭いたり、ザルやサラダスピナーを使用したりする方法がおすすめです。
サラダスピナーって、ざるに入れた状態でくるくる回して水気をとばす、便利なキッチンアイテムよね!わたしも欲しいな。
野菜の種類によって、適切な水切りの方法が異なります。葉物野菜は軽く振り、根菜類は水洗い後に乾燥させましょう。カット野菜は丁寧に水分を取り除く必要があります。
過度の水切りは、野菜を傷める可能性があるため、注意してください。水切りが終わったら、すぐに冷凍しましょう。
小分けにする
小分けにすると凍りやすく、野菜を効率的に冷凍できます。1回分の使用量を目安に小分けすれば、必要な分だけ解凍して調理できます。野菜の小分け方法は以下のとおりです。
- 使用する分量ごとに分ける
- 平らに広げて薄く冷凍する
- ジッパー付き保存袋を活用する
- 冷凍用トレイを使用する
小分けにするときは、使いやすい大きさにカットしましょう。小分けしたものを個別に包装し、ラベルを貼って内容物と日付を記入しておくと、管理がしやすく便利です。
空気をぬいて密封すると冷凍焼けをふせげます。冷凍焼けとは、庫内の開け閉めによる温度変化が原因で乾燥や酸化が起こり、水分が抜けてパサパサとした状態になることです。
適切に包装する
適切な包装は、野菜をおいしく冷凍保存するために重要です。正しい方法で包めば、野菜の鮮度と栄養価を長く保てます。
冷凍庫内の匂いが野菜に移らないよう、密閉できる冷凍用の保存袋や容器を選びましょう。空気が残っていると冷凍焼けの原因になるため、空気をできるだけ抜いて密封してください。
より確実に野菜を保存したい場合は、できるだけ隙間なくラップで二重に包むのが効果的です。日付や野菜名を記入したラベルを貼っておけば、中身がすぐにわかり、古い野菜を使い忘れることがありません。
野菜の種類によって最適な包み方が違うため、それぞれの野菜に合った方法で包みましょう。
袋詰めの場合は平らに広げて薄く包み、容器の場合は野菜が触れ合わないよう間隔を空けます。乾燥しやすい野菜の場合は、水分を含ませたキッチンペーパーを一緒に入れるのが効果的です。
野菜に合わせた包装で、おいしさと栄養価を保ちましょう。
短時間湯通しする
野菜はさっと湯通しすることで、色や栄養、食感を長く保てます。湯通しをするときは、沸騰したお湯に葉物なら30秒〜1分程度、ブロッコリーやアスパラ、インゲンなら1~2分程度、根菜なら2分程度ゆで、すぐに氷水で冷やします。しっかりと冷やしたら、水気を切って冷凍しましょう。
湯通しには、酵素の働きを止めて色や栄養を保つ効果があります。
細菌の繁殖をおさえて保存性を高め、解凍後の食感をよくする役割もあります。ブロッコリーやインゲンなどの緑黄色野菜には、湯通しが特に効果的です。短時間の湯通しを行い、新鮮な野菜の味と栄養を長持ちさせましょう。
冷凍保存に適さない野菜
野菜には、冷凍することで食感や風味が大きく変わってしまうものがあります。水分や繊維が多い野菜は新鮮なうちに消費するのがおすすめです。
調理方法を工夫すれば、冷凍保存できる場合もあります。野菜の特性を知り、正しく保存しましょう。冷凍保存に適さない野菜について解説します。
水分の多い野菜
水分の多い野菜は、解凍後にシャキシャキとした食感が失われてしまうため、冷凍保存に適しません。水分の多い野菜の代表例は、以下のとおりです。
- きゅうり
- トマト
- レタス
- セロリ
- ズッキーニ
水分の含有量が90%以上ある野菜は、冷凍すると細胞壁が破壊され、味や食感がおちる原因に。ですがトマトソースやスープの具材として使用する場合は、さほど気にならないので大丈夫です。
冷蔵庫で保存する場合は、ラップやペーパータオルで包んで乾燥を防ぎましょう。
きゅうりやセロリは、ピクルスにして冷凍保存することも可能です。水分の多い野菜は、できるだけ早めに消費し、新鮮なうちに食べましょう。
繊維が多い野菜
繊維が多い野菜は冷凍すると食感が大きく変わってしまいます。繊維質で冷凍保存に向いていない野菜は、以下のとおりです。
- セロリ
- アスパラガス
- ごぼう
- たけのこ
- れんこん
- 白菜の芯
- カリフラワーの茎
- ブロッコリーの茎
- 長ねぎの白い部分
繊維が多い野菜は、冷凍すると繊維が固くなり食感が悪くなります。冷蔵庫で保存してなるべく早く食べましょう。どうしても冷凍保存したい場合は、細かく刻んでから冷凍すると、繊維の変化が気になりにくいです。
【野菜別】冷凍保存の方法
野菜の種類によって適切な冷凍方法が異なります。それぞれの特性に合わせた保存方法を理解しましょう。以下の食材に分けて、冷凍保存の方法を紹介します。
- にんじんや大根
- ほうれん草やキャベツ
- トマトやきゅうり
- ブロッコリーやカリフラワー
にんじんや大根
にんじんや大根は栄養価が高く、冷凍しても品質を保ちやすいため、冷凍保存に適した野菜です。にんじんや大根を冷凍保存するときは、皮をむいて一口大に切り、水洗いして水気を切ってください。
軽く湯通ししたら冷水で冷やし、水気を切ったものを小分けにして密閉保存します。
にんじんや大根は、1〜2か月程度の冷凍保存が可能です。調理するときは、凍ったまま直接、フライパンや鍋に入れて使うことがポイントです。
たしかに!解凍すると水分が出て美味しくなくなるのよね。
その通り。冷凍保存した野菜は解凍後すぐに使い切るようにしましょう。
ほうれん草やキャベツ
ほうれん草とキャベツは、栄養価を保ちながら長期保存ができます。ほうれん草は茹でてから氷水で冷やし、水気を絞って食べやすい大きさに切ってから、小分けにして冷凍してください。
キャベツは生のまま冷凍できるので、芯を取り除いて切り分けたものを小分けにして、空気を抜いてから冷凍しましょう。
ほうれん草は約1か月、キャベツは約2か月間、冷凍保存が可能です。解凍後もほうれん草はなめらかな食感で、キャベツはシャキシャキ感を楽しめます。
トマトやきゅうり
トマトときゅうりは、水分が多い野菜のため冷凍保存には工夫が必要です。トマトは丸ごと冷凍できますが、解凍時に形が崩れやすくなります。
適切な方法で冷凍すれば、後々の調理で便利に使えます。
冷凍したトマトは、ソースやスープの材料として使うのがおすすめです。トマトを冷凍するときは、よく洗ってへたを取り、湯むきをして皮を取り除いたものを適当な大きさに切りましょう。小分けにして冷凍用袋に入れたら、空気を抜いて密閉し、冷凍庫に入れて凍らせます。
トマトソースにしてから冷凍しても美味しいままだったな。
きゅうりは冷凍すると食感が大きく変わるため、解凍後そのまま生で食べるのはむずかしいです。スープや炒め物に使用しましょう。
きゅうりは冷凍前に塩もみをして水分を抜くと、仕上がりが良いです。冷凍前によく洗って輪切りにし、塩をまぶして軽くもんでください。水分を抜いてからペーパータオルで水気を拭き取ります。
冷凍用袋に入れ、空気を抜いて密閉したら、冷凍庫で保存しましょう。適切に冷凍保存すれば、トマトやきゅうりを長期間保存でき、必要なときに使えて便利です。
ブロッコリーやカリフラワー
ブロッコリーやカリフラワーは、長期間おいしく保存できる冷凍保存に適した野菜です。冷凍保存するときは、小房に分けて水洗いし、湯通ししたものを氷水で冷やします。粗熱が取れたら水分をよく切り、密閉容器に小分けにして急速冷凍しましょう。
ブロッコリーやカリフラワーは、1〜2か月程度冷凍保存が可能です。
冷凍したブロッコリーやカリフラワーは、解凍せずに調理しましょう。ブロッコリーやカリフラワーを冷凍保存すると、美味しいままに長期間楽しめます。
ほんとうに冷凍野菜って便利!要な分だけ使えて、食品ロスの削減にもつながるね。
野菜を冷凍保存するときの注意点
野菜を冷凍保存するときは、適切な保存期間を守ること、傷んでいる野菜を取り除いておくこと、といった注意点があります。保存した野菜の管理にも十分気を付けて、味や栄養を長く楽しみましょう。
野菜ごとの保存期間を守る
野菜ごとに冷凍保存の期間を守ると、品質と安全性を維持できます。主な野菜の保存期間の目安は、以下のとおりです。
- 葉物野菜:1〜2週間
- 根菜類:1〜2か月
- ブロッコリー、カリフラワー:3〜6か月
- トマト:6〜8か月
- にんじん:6〜12か月
- とうもろこし:8〜12か月
- グリーンピース:12か月
保存期間はあくまで目安です。期間を過ぎた野菜はなるべく早く使ってください。保存状態によっておいしく食べられる期間が変わります。定期的に状態をチェックすることが重要です。
適切な保存方法と期間を守り、冷凍野菜の品質を長く保ちましょう。
傷んでいる野菜を取り除く
傷んでいる野菜を取り除き、新鮮な野菜だけを冷凍すれば、食品ロスを減らせます。劣化した部分があれば、以下のように取り除いてから冷凍しましょう。
- 変色や傷みがある部分を切り取る
- しなびた葉や茎を除去する
- 虫食いや腐りかけの箇所を取り除く
- 傷んだ皮を剥く
- 固くなった部分を切り落とす
劣化した部分をていねいに取り除けば、冷凍野菜のもちが良くなります。カビが生えていると、カビの胞子が目に見えない部分まで広がっているため、野菜全体を使用しないようにしてください。
異臭がする野菜や軟らかすぎる部分、変形や異常な色がある野菜も冷凍すべきではありません。
新鮮で状態の良い野菜を選んで冷凍保存すれば、おいしさと栄養価を長く保てます。野菜の状態をよく確認し、適切に処理しましょう。
野菜を冷凍保存するときのよくある質問
野菜を冷凍保存するうえで、生野菜と比べた栄養価や解凍した野菜の再冷凍に関する質問はよくあります。多くの人が疑問に思うポイントをまとめました。
冷凍野菜の栄養は生野菜と比べて劣る?
冷凍野菜の栄養価は生野菜とほぼ同じです。一部の栄養素は、冷凍野菜の方が多く残ります。ビタミンCは収穫後急速に減少しますが、冷凍によって減少を防げます。タンパク質や炭水化物、ミネラルはほとんど変化しません。
上手に冷凍保存すれば、野菜が持つ栄養素を十分に摂取できるってことね。
冷凍前の湯通しで、一部の栄養素が失われる可能性もあります。保存期間が長くなると、徐々に栄養価が低下するため、注意が必要です。適切な保存方法を守れば、栄養価の低下を最小限に抑えられます。
冷凍野菜は生野菜と同様に栄養価が高く、便利に使える食材です。
解凍した野菜の再冷凍は可能?
解凍した野菜を再冷凍すると、品質や風味が低下し、食中毒のリスクも高まるため、おすすめできません。やむを得ず再冷凍する場合は、完全に調理してから行うのが安全です。再冷凍を避けるには、一度に使い切れる量で小分けして冷凍保存してください。
安全性と品質を保つためにも、野菜の再冷凍は避けましょう。
まとめ
野菜は適切な方法で冷凍保存すれば、栄養価を損なわずに長期間保存できます。冷凍前の下準備や野菜の種類に合わせた保存方法を守りましょう。水分をしっかり切り、なるべく短時間で冷凍してください。
小分けにして包装すれば、必要な分だけ解凍して使用できて便利です。湯通しすると、色と栄養を保持できます。
水分や繊維が多い野菜は冷凍に不向きですが、野菜の種類に応じた冷凍方法を選べば、多くの野菜をおいしく保存できます。冷凍した野菜は保存期間を守り、傷んだ野菜は除去しましょう。
野菜の冷凍保存は、忙しい人にとって便利な方法です。うまく活用して、おいしい野菜を楽しみましょう。