
- 野菜の鮮度がすぐに落ちる
- 野菜の保存方法がわからない
- すぐ野菜をムダにしてしまう…
野菜の保存方法で悩む人は多いです。野菜は間違った方法で保存すると、すぐに鮮度が落ちて栄養価も減ってしまいます。正しく保存することが重要です。
この記事では、冷蔵庫で野菜の鮮度を保つ保存方法や、注意点を解説します。
記事を読むことで、野菜の鮮度と栄養価を長持ちさせられるようになります。冷蔵庫内の野菜の置き場所や温度を見直して、いつでも新鮮な野菜を楽しめる環境にしましょう。
★この記事の執筆者★

- ミドリ
- ✅ 食品・農業系ライター
✅ オーガニックコンシェルジュ
✅ 元・自然食品店員10年
✅ 無農薬農家さん指導のもと畑作りを勉強中

- 菜々ちゃん
(野菜の妖精) - ✅ ミドリの食の師匠(?)
✅ 野菜にまぎれて
やってきた妖精
野菜がしなびる原因と冷蔵保存の有効性

収穫後の野菜がしなびていくのは、以下の5つが原因です。
- 野菜の呼吸…栄養素と水分を消費します。
- 細菌の繁殖…野菜を腐敗させます。
- 水分の蒸発…みずみずしさが失われます。
- エチレンガス(※)の発生…野菜の老化を早めます。
※ エチレンガスとは、植物ホルモンの一種で、果実や野菜の熟成や開花を促す物質。
上記の原因をおさえるには低温保存が効果的です。
冷蔵庫内は低温なので、野菜の呼吸や代謝を抑え、栄養価を保てます。腐敗やカビの発生も抑えられ、野菜をムダにしません。野菜が放出するエチレンガスの発生を抑え、他の野菜が早く傷むのを防ぎます。

冷蔵庫内は光が当たりにくいので、光による変色や栄養素の分解も防げます。
大切な野菜の劣化を避けるために、購入したらすぐに冷蔵庫に保存しましょう。
» 野菜の種類別の保存方法や長持ちさせるコツを徹底解説!
野菜を冷蔵庫で保存するコツ

野菜を冷蔵庫で保存するコツは、以下の5つです。

野菜は傷みやすい食品です。野菜を新鮮に保つには、正しく保存する必要があります。
野菜室と冷蔵室を使い分ける

保存場所の考え方
野菜室と冷蔵室を使い分けましょう。野菜ごとに最適な温度が異なるからです。ざっくりと「夏野菜は野菜室」「冬野菜は冷蔵室」と覚えてください。(※例外もあります)
寒い時期に収穫する冬野菜は、低温を好みます。野菜室より冷蔵室で保存しましょう。
野菜の種類 | 保存場所 |
夏野菜(きゅうり、オクラなど) | 野菜室(3~8℃) |
冬野菜(大根・キャベツなど) | 冷蔵室(0~6℃) |
イモ類と一部の野菜 | 常温 |

冷蔵庫の各スペースの温度差を利用して、上手に野菜を保存してください。常温保存が良いものもあるので注意が必要です。
各野菜の保存場所一覧表
各野菜の適切な保管場所の詳細を表にまとめました。
保存場所 | 野菜 |
---|---|
野菜室 | きゅうり ラディッシュ 生姜 大葉 ピーマン パプリカ ししとう スナップエンドウ ズッキーニ 新玉ねぎ 青ネギ オクラ ゴーヤ ごぼう アボカド キウイフルーツ カボチャ(カットしてあるもの) 長いも(カットしてあるもの) |
冷蔵室 | レタス キャベツ ブロッコリー カリフラワー ほうれん草 小松菜 水菜 アスパラガス もやし セロリ 人参 大根 かぶ レンコン 白菜 長ネギ ニラ にんにく きのこ類 |
常温 (※夏場は野菜室で) | トマト なす さつまいも じゃがいも 里いも 長いも(※丸一本) カボチャ(※ひと玉) 玉ねぎ 白菜(※ひと玉) |
冷蔵室や常温保存も意外と多いものです。野菜の適正に合わせて保存場所を選んでください。
≫常温保存に最適な野菜と保存テクニック

外気温の変化により、冷蔵庫内の温度も影響を受けます。暑い夏は庫内の温度も上がり、冬になると下がります。冷蔵庫の温度調節機能で調節しましょう。
ペーパータオルで包んで適度な湿度を保つ
ペーパータオルで野菜を包むと、鮮度を保つことが可能です。適度な湿度を保てるため、新鮮さが長続きします。ペーパータオルが余分な水分を吸収するため、カビの発生予防にも効果的です。

葉物野菜(レタス、ほうれん草など)は、軽く包みましょう。しっかり包むと湿度が上がって腐敗しやすくなります。
ペーパータオルが濡れてきたら交換してください。定期的にチェックすることが大切です。
保存袋に入れて乾燥を予防する

保存袋のメリット
野菜を保存袋に入れると、袋内の湿度が保たれ、乾燥を予防できます。保存袋は乾燥を予防するだけでなく、以下のようなメリットもあります。
- 野菜の呼吸を抑え鮮度を保つ
- 匂い移りを予防する
- 湿気を防ぎ、カビの発生を抑える
ここでいう保存袋とは「野菜やくだものの鮮度を保つ、ポリ袋」のこと。ホームセンターやドラッグストアでよく見かけるジッパー付きの保存袋が一般的です。

野菜を保存袋に入れて湿気や乾燥から守り、新鮮さを長持ちさせましょう。
野菜がつぶれないように工夫する

野菜は重ねて保存するとつぶれやすくなります。つぶれると鮮度が落ち、腐りやすくなるからです。野菜がつぶれないようにする方法は、以下のとおりです。
- 紙袋や仕切りを使う
- 野菜を立てて保存する
- 重い野菜を下に置く
仕切りがないと、野菜を立てて保存するのは難しいです。牛乳パックやペットボトルの上部をカットして、立てかけましょう。かぶやピーマンなどの丸っこい野菜は紙袋に入れると便利です。中身が分かるように袋の口は開けたままにしてください。
重い野菜はやわらかい野菜の上に置かないようにすることも重要です。

庫内がぎゅうぎゅうになると、冷えにくく湿気もこもりやすいです。7割程度の量でおさえましょう。
飲食店などを経営されている方なら、業務用の野菜専用冷蔵庫もおすすめです。専用の温度設定や湿度管理機能があり、エチレンガス吸水フィールターなどがついているものもあります。野菜専用冷蔵庫は、一般的な冷蔵庫よりも野菜の鮮度を長く保つことが可能です。
【野菜別】冷蔵庫での保存方法

代表的な野菜の具体的な保存方法を解説します。今回解説する野菜は以下の4つです。
食品ロスを減らすため、野菜を正しく保存し無駄なく使い切りましょう。
レタス
レタスは適度な湿度を保つことで1週間ほど鮮度を維持できます。レタスを保存する手順は、以下のとおりです。
- 芯をくり抜き、切り口に濡れたペーパータオルを詰める
- ラップやペーパータオルで包む
- 保存袋に入れる
- 芯を下にして、立てて冷蔵庫の冷蔵室で保存する
芯をくり抜くのはレタスの成長点を壊すためです。成長点を壊すことでレタスの老化を防ぎます。くり抜かずに、数本の爪楊枝を芯の奥まで刺してもよいです。

食べる直前まで洗わないことも鮮度を保つコツです。
じゃがいも

じゃがいもは冷蔵庫での保存に向いていません。じゃがいもは低温すぎると変色しやすく、10〜15℃が保存に適した温度です。冷蔵庫ではなく、暗くて涼しい場所で保存しましょう。保存方法は以下のとおりです。
- 新聞紙やペーパータオルで包む
- 段ボール箱やストッカーなどに入れる
- 風通しの良い冷暗所で保存する
じゃがいもは長期保存可能ですが、湿度が高すぎると芽が出やすくなるため注意が必要です。定期的に状態をチェックし、芽には毒があるので出たら取り除いてください。

じゃがいもの芽や緑色になった皮には、ソラニンやチャコニンという自然毒素が含まれています。食べると吐き気や腹痛、頭痛やめまいがすることもあるため注意しましょう。
にんじん

にんじんは乾燥しやすいため、湿度を適度に保つ必要があります。にんじんの保存方法は、以下のとおりです。
- 葉を切り落とし、根元を1~2cm残す
- 水気はしっかり拭きとる
- ラップやペーパータオルで包み、保存袋に入れる
- 冷蔵室に立てて保存する
にんじんの保存に適した温度は、0~5℃です。冷蔵室で保存してください。2〜3週間保存できます。保存中に黒ずみが出てきた場合は、表面を薄く削ると食べられます。

葉を付けたままにすると、にんじんの水分と栄養を吸い上げてしまいます。葉付きにんじんを購入したら、すぐに葉を落としましょう。
しいたけ

きのこは湿気に弱いため、乾燥した環境で保存します。きのこを保存する際のポイントは、以下のとおりです。
- ペーパータオルで包む
- カサを下にして保存袋に入れる
- 冷蔵室で保存する
- 使用時も洗わない
保存期間は約1週間です。しいたけは洗うと風味が損なわれ、栄養素が流れ出してしまいます。汚れが気になる場合も、ペーパータオルで優しくふき取る程度にしましょう。

しいたけは冷凍保存可能です。すぐに使い切れない場合は冷凍がおすすめ。冷凍するとうま味が増します。
» 野菜を美味しく冷凍保存する方法を解説
冷蔵庫の温度調節の方法

冷蔵庫の温度調節のポイントは以下の通りです。
温度調節機能を活用する
野菜の鮮度を長持ちさせるために、温度調節機能を使いましょう。
冷蔵庫は常に最適な環境が保たれているわけではありません。季節で上下する外気温に影響されます。最近は異常気象で夏はとても暑く、とりわけ注意が必要です。
冷蔵庫には冷やし具合を調節できるツマミが付いています。主に「強」「中」「弱」と段階が分かれているもの、1〜6までメモリが付いているものなどです。
外の気温に合わせて調節してみましょう。野菜の状態を見ながら、強めに冷やしたり弱めてみたりしてください。温度調節機能を活用することで、野菜に快適な環境が保てます。

冷蔵庫専用の温度計も売っています。
入れるのは収納スペースの7割まで
冷蔵庫に食材を入れるのは収納スペースの7割までにとどめます。ぎゅうぎゅうに入れると冷気が循環せず、冷えにくくなり、湿度も上がるからです。
低温を保ちにくくなり湿気がこもると、野菜が劣化しやしくなります。またドアの開閉後に上がった温度を低温に戻しにくいです。
食材は冷蔵庫の7割までを目安に入れましょう。食材間を少しあけると冷気が通り安くなり、野菜の鮮度も保てます。
» 野菜ストッカーの役割|選び方から便利な使い方まで一挙解説!
野菜を冷蔵庫で保存する際の注意点

野菜を冷蔵庫で保存する際、温度の管理以外にも気を付けるべきことがあります。注意点は以下の通りです。
上記のポイントを守ることで、野菜の鮮度や栄養価を保ち、より長くおいしく食べられる状態を維持できます。
調理の直前で洗う
野菜は保存前に洗うと水分が残り、カビや腐敗のリスクが高まるため、食べる直前に洗います。根菜類は土を軽く落とすだけにしましょう。葉物野菜や果菜類は洗わずに保存します。野菜は食べる前に洗うのが最適です。

どうしても洗う場合は、洗った後に水分をしっかりと拭き取ってください。
きのこ類は水で洗うと栄養分やうま味成分が流れてしまいます。食べるときも基本的には洗わない方が良いです。気になる場合は、ペーパータオルを湿らせて軽くふき取る程度にします。
野菜を洗うタイミングに気をつけると、野菜の鮮度を長もちさせ、おいしく食べられます。野菜の栄養価を保つためにも、調理の直前で洗いましょう。
ペーパータオルや保存袋を使う

適切な包装や容器を使うことは、野菜の鮮度を保つために大切です。野菜の呼吸を妨げないように、通気性のある袋や容器を使用してください。保存に使用する包装や容器の種類と効果は、以下のとおりです。
包装や容器の種類 | 効果 |
ペーパータオルや新聞紙 | 水分を程よく吸収し、野菜の劣化を防ぐ |
食品保存袋 | 通気性がよく湿気を逃がす |
食品包装用ラップフィルム | 空気を遮断し、食品の酸化を防ぐ |
密閉容器を使用する場合は、蓋を少し開けて水分を逃がすようにしましょう。プラスチック容器は野菜の呼吸を妨げるので、避けてください。

環境に配慮したい人には、自然由来の原料で作られた「みつろうラップ」がおすすめ。洗って繰り返し使えるので環境にやさしく、節約にもなります。
野菜の鮮度を保ち、おいしさを長持ちさせるには、適切な包装や容器を使うことが大事です。
エチレンガスに気をつける
エチレンガスを多く出す野菜は、ほかの野菜の劣化を早めます。エチレンガスの影響を受けやすい野菜の場合は、特に注意が必要です。エチレンガスを多く出す野菜や果物とエチレンガスの影響を受けやすい野菜や果物は、以下のとおりです。
エチレンガスを多く出す野菜や果物 | エチレンガスの影響を受けやすい野菜・果物 |
リンゴ | レタス |
バナナ | キュウリ |
アボガド | ニンジン |
トマト | ブロッコリー |
エチレンガスを多く出すものと影響を受けやすいものを区別し、別々に保存することで、鮮度をより長く保てます。
野菜を冷蔵庫で保存する際によくある質問

野菜を冷蔵庫で保存する際によくある質問に回答します。よくある質問は、以下の2つです。
上記質問の回答を知りたい人は、参考にしてください。
野菜が冷蔵庫で凍るのはなぜ?
野菜が冷蔵庫で凍る原因は、冷蔵庫の温度や野菜の置き場所に問題があります。野菜が凍る原因と理由は、以下のとおりです。
野菜が凍る原因 | 理由 |
温度設定が低すぎる | 冷蔵庫の温度が0℃以下になると、野菜の水分が凍るため |
冷気の吹き出し口付近に保存している | 冷気が直接当たる部分に野菜を置くと、凍りやすくなるため |
冷蔵庫の壁に接触 | 冷蔵庫の内壁に接触すると、温度が低くなり凍りやすくなるため |
野菜が凍らないようにするために、適切な温度を保つ必要があります。冬場は外気温の影響を受けて、庫内の温度が下がりがちです。野菜室の温度は3~8℃、冷蔵室は0~6℃を維持しましょう。
温度調節つまみを使って、冷やし具合を調節できます。野菜を冷気の吹き出し口から離したり、内壁に当たらないようにすることも大事です。

適切な温度を保ち、野菜が凍らないように気を付けてください。
ドアポケットに野菜を保存して良い?
冷蔵庫のドアポケットでの保存はおすすめできません。ドアポケットは冷蔵庫の開閉で温度変化が大きい場所です。野菜は大きな温度変化を嫌います。
家族が多く、冷蔵庫の開け閉めが頻繁という家庭は、なおさらドアポケットには入れないようにしましょう。基本的に野菜はドアポケットを避け、冷蔵室か野菜室に入れてください。

一人暮らしで開け閉めが少ない、という場合は野菜の鮮度を保てることもあります。どうしても使いたい場合は、少しの野菜で試してみても良いですね。
まとめ

野菜を冷蔵庫で保存する方法や注意点について解説しました。野菜の鮮度や栄養価を長く保つには、冷蔵庫で正しく保存する必要があります。

野菜を冷蔵庫で保存する際のポイントは、以下のとおりです。
保存する際のポイント | 説明 |
野菜室と冷蔵室を使い分ける | 低温を好むものは冷蔵室へ入れる |
冷蔵庫の温度を適温にする | 冷蔵室は0~6℃、野菜室は3~8℃を保つ |
洗わずに保存する | 濡れてしまったものは水気を拭く |
エチレンガス対策をする | エチレンガスが多い野菜は他と分ける |
ペーパータオルや保存袋を使用する | 基本、ペーパータオルやラップで包み、保存袋に入れる |
ぎゅうぎゅうに摘めない | 冷蔵庫の7割まで入れる |
野菜を適切に保存すると、栄養素や味わいを長く保てます。

正しく野菜を保存し、新鮮な野菜を食べて、健康的な食生活を送りましょう。