- 料理は面倒でいつも適当。栄養摂れてるかな?
- インスタントやコンビニ弁当ばかりじゃ健康に悪いよね
- 「これだけ食べておけば大丈夫」という食材があれば教えて!
一人暮らしだと仕事やプライベートで忙しく、料理も適当になりがちです。偏った食事は栄養バランスが悪く、健康を損ねるリスクがあります。
この記事では日ごろから食べたい食材と栄養バランスの整え方、料理したくないときの裏技について解説します。記事を読めば毎日必要な栄養素がとれるようになります。
一人暮らしの食事が不安な人は、食べるべき食材を知り栄養バランスの整え方を実践することが大切です。
★この記事の執筆者★
- ミドリ
- 食品・農業系ライター。元自然食品店勤め10年のオーガニックコンシェルジュです。畑作業が趣味。
- 菜々ちゃん
(野菜の妖精) - ・ミドリの食の師匠(?)
・野菜にまぎれて
やってきた妖精
これだけは食べたい食材リスト
一人暮らしでもこれだけは食べたい食材は以下の通りです。食材ごとに主な栄養素を載せています。
食材 | 主な栄養素 |
---|---|
ごはん パン めん いも | 炭水化物 (+食物繊維) |
バター サラダ油 | 脂質 |
肉 魚 卵 大豆 | タンパク質 |
野菜 果物 | ビタミン |
海藻 ゴマ 貝 | ミネラル |
食材に含まれる栄養素のはたらき
栄養素のはたらきについて解説します。それぞれの栄養素のはたらきは、体の機能を支える大切な基盤です。
- 三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)
- ビタミンとミネラル
- 食物繊維(※)
5つの栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)は、五大栄養素といわれています。食物繊維は炭水化物に含まれますが第6の栄養素といわれることもあります。
食物繊維は消化できないので、エネルギー源にはなりません。血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げたり、そのほか整腸作用などで注目されています。
三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)
タンパク質、脂質、炭水化物は、人の健康を支える根幹となる栄養素です。体を構成したり、エネルギーを供給したり、機能を維持したりと欠かせない役割を担っています。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や組織をつくるだけでなく、酵素やホルモンの形成にも重要です。主なタンパク源には以下があります。
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 乳製品
- 大豆製品
炭水化物
炭水化物は主にエネルギーを供給し、体や脳を動かす力となります。全粒穀物やくだもの、野菜に多く含まれます。炭水化物をとり過ぎると、中性脂肪がたまり肥満や生活習慣病の原因になりかねません。
一方、炭水化物は不足すると、疲れやすく注意力散漫となり、判断力が低下します。長期間続くと意識障害の恐れもあり注意が必要です。
脂質
脂質はエネルギー源にもなりますが、細胞膜や臓器の材料となったり、体温を保つはたらきがあります。
脂質は1gあたり約9kcal、炭水化物とタンパク質は1gあたり約4kcalのエネルギーを供給するため、脂質は効率の良いエネルギー源です。
不足すると、ホルモンバランスの乱れやエネルギー不足、体力低下、脳出血を引き起こす可能性があります。
栄養素をとり過ぎると、肥満や心筋梗塞などのリスクが高まります。健康維持には、日々の食事で栄養素をバランスよくとることが大事です。
ビタミンとミネラル
ビタミンとミネラルは、身体のさまざまな機能をサポートします。不足すると健康問題を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
ビタミン
ビタミンは三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の円滑な代謝をサポートします。人の体内では十分な量のビタミンを作り出せないため、食品から摂取しなければなりません。
ビタミンには水溶性と脂溶性があり、それぞれ体内での役割や摂取方法が異なります。
- 水溶性ビタミン…水に溶けやすく、とり過ぎると尿から出されるが、摂取量が足りないと欠乏症の恐れ。
- 脂溶性ビタミン…油と一緒に摂ると体内に吸収されやすい。とり過ぎると体の中にたまり、過剰症になる恐れ。
ビタミンCは免疫システムを強化し、ビタミンDは骨の強化に効果があります。
ミネラル
ミネラルは筋肉や神経の伝達に関わり、骨や歯を作る働きがあります。
ミネラルは自然界になんと100種類以上。その中でも人の体に必須の16種類を「必須ミネラル」と呼びます。
必須ミネラルはカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、硫黄、塩素、鉄、銅、亜鉛、セレン、マンガン、ヨウ素、コバルト、モリブデン、クロムです。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、心臓や筋肉の機能維持に必要です。
ビタミンとミネラルは食品からの摂取するのが一番ですが、不足しがちなときはサプリメントの検討も大切です。常にバランスの取れた食事を心がけ、必要な時には専門家に助言を求めましょう。
食物繊維
食物繊維は消化・吸収されない栄養素です。水分を吸収して膨らむため、便の量を増やし、便秘を予防・解消します。血糖値の急上昇をおさえ、食後の満腹感を長持ちさせることも可能です。
食物繊維は体内へのコレステロール吸収をおさえ、心臓病のリスク軽減も期待できます。食物繊維はくだもの、野菜、全粒穀物、豆類などに豊富に含まれています。
食物繊維をバランスよく食事に取り入れましょう。
一人暮らしだと不足しやすい栄養素はこれ!
一人暮らしで不足しやすい栄養素は以下の通りです。
- ビタミン
- ミネラル
- タンパク質
- 食物繊維
つまり炭水化物と脂質以外はすべて不足しがちといえます。一人暮らしだと自炊が面倒で食事が適当になる人も多いです。
カレーや丼めしなどのごはんもの、ラーメンやうどんなどのめん類、コンビニやスーパーの総菜パンなどについつい手が伸びる…。
一人暮らしの食事は炭水化物や脂質ばかりに偏りやすい傾向にあります。
必要な栄養をとる方法「一汁二菜」
毎日必要な栄養素をとるには「一汁二菜」という方法がおすすめです。一汁二菜は日本の伝統的な食事スタイルです。ごはんなどの主食を中心に、1つの汁物+2つのおかず(主菜・副菜)から構成されています。一汁二菜は栄養バランスの良い点が魅力です。
主食、汁物、主菜、副菜それぞれの料理を一覧表にしました。
区分 | 料理 |
---|---|
主食 | ごはん パン めん |
汁物 | みそ汁 スープ |
主菜 | 肉料理 魚料理 卵・豆料理 |
副菜 | 野菜・イモ・豆・海藻・きのこなどを材料とした料理 |
主食、汁物、主菜、副菜それぞれのカテゴリーから一品ずつチョイスすると「一汁二菜」の完成です。一汁二菜を実践すれば栄養バランスの良い食事がとれます。
一汁二菜の3つのポイント
一汁二菜の大切なポイントを3つ紹介します。ポイントを実践すると一汁二菜をより健康的に取り入れることが可能です。
- 主食はパンよりごはんがオススメ
- 主菜より副菜を多めにとる
- おかずごとに調理方法を変える
主食はパンよりごはんがオススメ
パンよりご飯中心の食生活にしましょう。もちろんその日の気分でパンを食べても問題はありません。ご飯はパンよりも血糖値が上がりにくい特徴があります。消化・吸収がゆっくりで腹持ちが良いのもメリットです。
パンばかり食べている人は、少しずつご飯を増やすことをお勧めします。
玄米や雑穀米も食べるとさらに栄養価が高まります。
主菜より副菜を多めにとる
主菜である肉、魚より、副菜の野菜、海藻などを多く食べましょう。栄養バランスを良くするには食物繊維やビタミン、ミネラルをしっかり摂ることが重要です。
主食:主菜:副菜=3:1:2(容積比)が目安になります。主菜より副菜が多いのがポイントです。副菜に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラルは体の調子を整えます。
メインのおかずの肉や魚よりも、野菜・海藻類を多くとるよう心がけましょう。
おかずごとに調理方法を変える
おかずごとに炒める、焼く、煮るなど調理方法を変えましょう。例えば主菜が揚げ物なら、副菜は煮物や蒸し物にすると良いです。
おかずによって調理方法を変えると味や食感に変化が出て、より美味しく食べられます。揚げ物や炒め物ばかりだと油分の摂り過ぎにもなり注意が必要です。
調理方法が様々だと食欲が増進され、油の摂り過ぎを防げます。
一汁二菜のおすすめメニュー
一汁二菜のメニュー例を紹介します。
全体のバランスが大切です。品数が多いと面倒だという方は、副菜の野菜量を主食や主菜、汁物でとるようにします。炊き込みごはんや具沢山スープ、野菜たっぷりの魚のホイル焼きなど工夫すると良いです。
カレーライスやチャーハン、丼もの、麺類、ピザ、お好み焼き等は人気メニュー!炭水化物に偏りがちなのがちょっと心配です。野菜を多めにとるよう気を付けましょう。
自炊がめんどくさい日のカンタン一汁二菜
ご飯を作りたくない日でも一汁二菜を実践できるポイントを下記にまとめました。作りたくない日に完璧を目指そうとすると、余計にストレスがかかってしまいます。状況に応じて対応しましょう。
- お惣菜を組み合わせる
- インスタント味噌汁やスープを活用する
- 冷凍野菜や乾燥野菜、缶詰などトッピング
- ゆで卵や豆腐、納豆をそのままいただく
- 冷凍弁当をストック
お惣菜を組み合わせる
一汁二菜になるようにお惣菜を組み合わせましょう。お惣菜は実に様々な種類があり組み合わせが自由です。主菜に肉や魚のお惣菜、副菜に野菜類のお惣菜を購入します。ご飯や汁物をレトルトで済ませれば、料理は一切不要です。
上手にお惣菜を組み合わせれば、調理無しで一汁二菜が完成ね!
インスタント味噌汁やスープを活用
汁物はインスタント味噌汁やスープを活用しましょう。おかずはあるけれど汁物はない、という日にインスタントがあれば調理不要。すぐに食事ができます。
普段から味噌汁やスープのインスタントをストックしておくと便利です。
冷凍野菜や乾燥野菜、缶詰などをトッピング
冷凍野菜や乾燥野菜、缶詰も忙しい日の強い味方です。インスタントスープに入れるだけで具沢山スープに変身!冷凍野菜は調理済みのものを、乾燥野菜はお湯で数分戻すだけのものを使用しましょう。缶詰や豆腐も常備すると重宝します。
冷凍野菜や乾燥野菜、缶詰なら長期保存もできてお勧めです。
ゆで卵や豆腐、納豆をそのままいただく
ゆで卵や豆腐、納豆は常備しておきましょう。作り置きは面倒だという人も、ゆで卵なら簡単です。豆腐や納豆もそのまま食べられます。卵や豆腐は肉、魚がない時の貴重なタンパク源です。
ゆで卵や豆腐、納豆があれば手軽にタンパク質をとることができます。
冷凍弁当をストック
冷凍弁当をストックしておくと便利です。栄養バランスが考えられているので、温めて食べるだけ。ご飯と汁物はついていないことが多いので別に準備しましょう。
冷凍弁当は長期保存ができる上に栄養バランスも整っているのでお勧めです。
インスタントやレトルト食品などは便利な反面、添加物が心配です。塩分も多い傾向なので毎日常用するのは避けましょう。
自炊がめんどくさい日に備える準備のコツ
ご飯を作りたくない日に備え、あらかじめ準備しておきましょう。準備のコツを下記にまとめたので参考にしてください。
- 日持ちするおかずを作り置きする
- 冷蔵食材は週に1回買い足す
- 長期保存食材は月に1回まとめ買い
日持ちするおかずを作り置きする
日持ちするおかずを作り置きしておきましょう。疲れて帰ってきたとき、急な予定が入ったときに便利です。料理する気力がないとき、時間がないときに作り置きがあるとすぐに食べられます。
食事の準備時間を減らせるので、リラックスしたり趣味の時間を楽しんだりできます。
冷蔵食材は週に1回買い足す
日常的に食べている冷蔵食材は切らさないようにしましょう。牛乳、納豆、チーズ、豆腐、卵、ヨーグルトなどは調理しなくてもすぐ食べられて栄養豊富です。
消費期限が短いものも多いので週に1回は買い足すようにします。
長期保存食材は月に1回まとめ買い
長期間保存できる食材は月に1回まとめて買い足します。乾燥野菜、冷凍食材、缶詰、レトルト食品、インスタントスープなどは保存期間が長いのでまとめ買いが可能です。
量が多いのでネットスーパーを利用しても良いでしょう。ネットスーパーは一定金額を超えると送料無料になるところも多いので、まとめ買いに最適です。長く保存できるものは月に1回まとめて買うことをお勧めします。
保存食は災害時の非常食としても便利です。賞味期限の古いものから消費していき、消費した分を買い足すローリングストック法が推奨されています。
なるほど、常に新しい保存食が備蓄されているってことね。じゃあ、今日は料理したくないなーと思ったら、ローリングストック法で保存食をかしこく利用すると一石二鳥!
まとめ
一人暮らしの食生活が心配な人は、一汁二菜で栄養バランスを整えるのがおすすめです。一汁二菜はご飯などの主食を中心に、1つの汁物+2つのおかずから構成されています。
一汁二菜のポイントは以下のとおりです。
- 主食はパンよりご飯がおすすめ
- 主菜より副菜を多めにとる
- おかずごとに調理方法を変える
料理をしたくない時のために、前もって常備菜を作り置きすることも大切です。レトルト食品、缶詰、冷凍野菜などの保存食や、スーパーのお惣菜なども利用しましょう。一汁二菜の割合を守れば栄養不足を回避できます。
保存食はあらかじめまとめ買いをしておくことが重要です。
食材宅配はまとめて自宅へ食材を配達してくれます。思い荷物を持たずに済むのでとても便利です。
≫食材宅配のおすすめ17選!
一人暮らしの食生活が不安な人は、日ごろの食事を一汁二菜の割合と照らし合わせて、どのくらい偏りがあるのかチェックするところから始めましょう。